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【注目トピックス 日本株】SFPダイ Research Memo(2):人気業態となっている「磯丸水産」の運営が主力事業

2016年12月1日 16:05

■事業概要

(1)事業内容

SFPダイニング<3198>は、駅前・繁華街(路面店)での24時間営業により人気業態となっている海鮮居酒屋「磯丸水産」の運営を主力事業としている。2016年8月末の店舗数は、11業態201店舗(他にFC4店舗)。そのうち、「磯丸水産」は142店舗を占める。また、出店エリアは、首都圏が186店舗(うち、都内126店舗)となっており、首都圏(特に、都心・繁華街)への集中出店によって、ブランド力の確立と店舗数の拡大を図ってきた。

最近では、「磯丸水産」と同様の収益モデルによる「鳥良商店」(鶏料理店)が、2本目の柱として立ち上がってきており、高い成長率が継続する見通しである。2013年4月にクリエイト・レストランツ・ホールディングスとの資本提携を締結し、2014年12月には連結子会社として東証2部に上場を果たした。

事業セグメントは、飲食事業の単一セグメントであるが、業態別に創業業態の「鳥良事業部門」(「鳥良商店」も含む)、主力業態の「磯丸事業部門」、「その他部門」の3つに区分している。「磯丸事業部門」が、売上高の72.5%を構成している(2017年2月期第2四半期累計実績)。

2016年9月からは、飲食サービス及び商品提供業務の一部を子会社に移管して持株会社体制に移行した。同社内外の機動的な企業再編・組織再編の推進、現在の事業を基盤とした新たな事業創出の促進、経営機能とコーポレートガバナンスの強化が目的である。

(2)企業特長

同社の優位性は、通常の居酒屋業態の収益モデルに加えて、新たに独自の収益モデルを確立したところにある。主力業態の「磯丸水産」は、あえて賃料の高い駅前・繁華街の路面店に出店する一方、個性的で視認性の高いファサードや、入りやすいオープンな雰囲気、24時間営業による幅広い需要の取り込みなど、好立地による集客力を最大限に生かし、高い稼働率で回していく独自の収益モデルに特長がある。単純化して言えば、通常の居酒屋業態の収益モデルではペイしない高い賃料を払っても売上高を多く確保することでレバレッジを享受する構造と言える。もちろん、そこには立地分析のスキームや路面店の開発スキルのほか、24時間営業におけるオペレーション及び時間帯により最適なメニューに入れ替えるノウハウ等があってこそ成立するものであり、簡単に真似できるものではない。特に、出店コストの高さや24時間営業の難しさは他社にとっては高いハードルとなっていると考えられる。同社には、他社に先駆けてノウハウを蓄積してきたことや首都圏への集中出店によりブランド力を高めてきたことが、さらに出店リスクを引き下げるといった好循環が生まれており、これまで出店した145店舗(磯丸水産)のうち閉店は3店舗(そのうち1店舗は場所の移転によるもの)に過ぎない。同社では、店舗数の拡大(特に首都圏郊外及び関西圏への積極的な出店等)に伴って閉店数もある程度増える可能性があると想定しているが、失敗事例も今後の立地分析や店舗運営の精度を高めるためには必要悪と捉えており、むしろそれを生かす仕組みを持っているところが強みと言える。また、駅前・繁華街でブランド力を確立した上で、首都圏郊外及び関西圏へ展開する出店戦略が奏功したことも成長を加速した要因となっており、結果として、高い収益性と成長性を両立する独自のポジショニングを築き上げることができたと言える。

また、「磯丸水産」で確立した収益モデルは、他の業態で生かすことが可能であり、更なる進化を遂げる余地も大きい。2本目の柱として期待される「鳥良商店」は、創業業態である「鳥良」に「磯丸水産」の収益モデルを移植したことで順調に立ち上がってきた。「磯丸水産」との重複出店(同時出店や出店済エリアへの出店)や市場特性(立地・業態)に合わせた選択出店ができるところがポイントである。実際に「磯丸水産」の近隣地での出店で成功しており、需要の共食いはないことが実証されている。新たな成長軸として、同社の出店余地の拡大に大きく貢献する可能性が高い。

(3)沿革

同社の創業は1984年4月、創業者である寒川良作(さむかわりょうさく)氏(元同社代表取締役会長、2015年12月に退任)が東京都武蔵野市に名古屋手羽先唐揚専門店である「鳥良」(現在の「鳥良商店」吉祥寺南口店)を開業したことに遡る。名古屋名物の手羽先唐揚を独自のレシピでアレンジしたものを看板メニューとし、着実に店舗数を増やした。2001年には「豊かな食を創造する総合フードサービス業をめざす」ことをビジョンに掲げ、業態の多角化にも取り組みながら2008年には全社50店舗体制へと事業を拡大。

その後、リーマンショックなどによる景気後退の影響や業界環境の変化等を受けて、「日本を豊かにする『食』の専門店集団をめざす」ことにビジョンを改め、「専門店」化の追求へと舵を切ると、2009年には独自の収益モデルによる「磯丸水産」を開業し、成長に向けた基礎を築いた。

「磯丸水産」が順調に立ち上がり、成長への道筋が見えてきたことから、「永続する会社組織を作っていく」ためには上場を目指すのが1番の近道であると判断。その上で、2010年12月にPEファンドであるポラリス第二号投資事業有限責任組合(ポラリス・キャピタル・グループ(株))の資本参加を受け、客観的な目線や合理的な手法の導入によって、経営管理や組織運営の精度を高めることを決断した。なお、SPCとして設立された(株)サンフランシスコ・ホールディングスが形式上の存続会社であり、それまでの事業主体であったサムカワフードプランニングを吸収合併(2011年5月)することで現在の形となった(2011年10月にSFPダイニング(株)に商号変更)。

2013年4月には、経営ノウハウをさらに昇華するために、郊外のショッピングセンターにおけるレストラン及びフードコートの運営を主力とするクリエイト・レストランツ・ホールディングスと資本提携を締結し、2014年12月に連結子会社として東証2部へ株式上場を果たした。

株式上場を契機に、人気業態としてブランド力を確立してきた「磯丸水産」による出店ペースに拍車がかかり、2015年5月には「磯丸水産」100店舗体制に到達。また、愛知県名古屋市で「磯丸水産」のFC展開もスタート。加えて、2本目の成長の柱として期待される「鳥良商店」の出店を開始すると、2016年3月末には「鳥良商店」10店舗体制へと順調に軌道に乗ってきた。2016年9月には、経営環境の変化へ迅速に対応するため、持株会社体制へ移行した。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田 郁夫)

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