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【注目トピックス 日本株】RSテクノ Research Memo(6):16/12期3Qは2ケタ増収、2ケタ最終益で着地

2017年1月6日 16:01

■業績動向

(1) 2016年12月期第3四半期決算と通期見通し

a) 2016年12月期第3四半期決算
RS Technologies<3445>の2016年12月期第3四半期は売上高6,271百万円(前年同期比60.3%増)、営業利益890百万円(同5.0%増)、経常利益491百万円(同31.7%減)、親会社株主に帰属する四半期純利益242百万円(同14.0%増)と増収増益で着地した。

ウェーハ事業は、売上高4,680百万円(前年同期比44.2%増)、営業利益は954百万円(同4.8%減)と増収減益となった。増収は堅調な需要によって再生ウェーハの販売数量が伸びたことが主な要因だ。一方、減益の要因は台湾子会社が顧客からの認定の取得が遅れて、実質的な開始が2016年4月にずれ込み、結果的に第1四半期と第2四半期に赤字が膨らんだためだ。台湾子会社は6月に単月ベースで黒字転換したが、前半の赤字を取り戻すには至らなかったということだ。

半導体生産設備の買取・販売事業は、売上高1,514百万円、営業利益201百万円となった(新規のセグメントであるため前年同期比較はない)。同社は従来から半導体製造時に使う消耗品の販売を行ってきたが、今第3四半期は液晶モジュールの販売が拡大して収益を押し上げた。

経常利益が前年同期比減益となったのは営業外損益において為替差損を344百万円計上したことが原因だ。内容は、同社本体の米ドル建て売掛金と台湾子会社における外貨建て債務・借入金に関するものだ。

b)再生ウェーハの価格、需給、生産動向
再生ウェーハを取り巻く環境は好調だ。半導体生産は世界的に年5%前後の成長が続いている。そのなかで、同社が強い台湾市場ではファウンドリからの需要を台南工場の完成と認定取得で、需要の取り込みが軌道に乗ってきている。また、国内市場では3D NANDフラッシュの生産に伴う需要増加を着実に取り込んでいるほか、センサーの生産増加などに伴う需要も出てきている状況だ。

価格面では、プライムウェーハの価格交渉が続けられてきたが、2017年初頭からの値上げで決着したことが注目される。これが再生加工賃の値上げにつながるかどうかが今後のポイントだ。仮に再生加工賃の上昇には至らない場合でも、再生ウェーハ業界にとってはプラス効果は期待できる。プライムウェーハ価格の値上げは再生ウェーハの需要増加につながるためだ。また、一部のプライムメーカー、ウェーハメーカーが高付加価値品へのシフトを強めたのもポジティブだ。新品のモニターウェーハの供給が減少し、その分再生ウェーハへの需要に向かうことになるからだ。

こうした強い需要の半面で、再生ウェーハの供給能力は、現状では唯一同社が増やしている状況だ。再生加工賃が現状レベルでは、能力増強に動くインセンティブは働かない。同社が台湾で工場を新設したのは日本からの設備移設でコストを抑制できたことが背景にある。また三本木工場の能力増は前述のようにデボトルネックによるものだ。

このように、再生ウェーハを取り巻く需給バランスは、現状は非常に良好な状況であり、2017年に入ってもその状況が続くと弊社ではみている。

c) 2016年12月期通期見通し
同社は、ウェーハ事業における強い需給バランスと三本木及び台南両工場における順調な操業度上昇を反映し、第2四半期決算時(2016年8月)に2016年12月期通期の売上高と営業利益予想を上方修正した(ただし、経常利益と親会社株主に帰属する当期利益については、下期の為替レートの前提を120円/米ドルから111円/米ドルに変えたため減額修正となっている)。2016年12月期第3四半期までの進捗を見ると、通期予想の達成のために必要な第4四半期(2016年10月−12月期)の利益のハードルが非常に高く見える。しかしながら、ウェーハ事業において三本木工場が引き続き好調に推移し、かつ、台南工場の稼働率がフル生産に近い状況が実現されるならば十分達成可能だと弊社では考えている。

そう考える理由は、台湾子会社の利益貢献が、通常の同種のケースに比べて大きくなるとみられるためだ。再生ウェーハ事業は装置産業であり、稼働率が一定水準を超えてくると急速に利益が出てくるのは知られているとおりだ。同社の台湾子会社は設備を日本から移設したため減価償却負担が非常に軽く、また、操業面でも当初から高い生産性・歩留まりが実現できているものと弊社では推測している。その結果、稼働率がフル稼働に近づくにつれて、その利益率も急速に高まってくるとみている。これが、第4四半期に利益が急拡大して通期の営業利益予想の達成につながっていくと考える主たる理由だ。なお、第4四半期の売上高営業利益率が43.6%となっているのは、通期の売上高の予想値が過小なためだと弊社ではみている。

(2) 2017年12月期の考え方

同社は毎年ローリング(見直し)して3ヶ年の業績計画を発表している。2016年12月期の年初に発表された計画では、2017年12月期について、売上高8,292百万円、営業利益2,191百万円が予想されている。しかし、この計画を作成した当時から、同社の収益環境は大きく変わってきており、2016年12月期予想は、売上高と営業利益が上方修正されたのは前述の通りだ。ウェーハ事業では需要が非常に堅調で、価格も強含みとなっていることが背景にある。一方で、為替レートがローリング予想の前提の120円/米ドルから見れば円高となっている。また、半導体生産設備の買取・販売の収益規模が2016年12月期は急速に膨らんだ。しかしこれは商社取引の要素が強いため、急にしぼむ可能性もある。

こうしたことから、弊社では別のロジックで2017年12月期を想定してみた。主力のウェーハ事業において、三本木工場はフル生産が続いているため、生産能力増加がなければ、収益規模は横ばい圏となる。したがってウェーハ事業の損益改善は台湾子会社の業績改善によるということだ。

その台湾子会社は、2016年12月期第4四半期はほぼフル生産に近づいたとみられることから、2017年12月期の業績は、前年第4四半期の収益の4倍程度と考えることができる。一方、2016年12月期は年度前半の低稼働が響いて営業損失になるとみられる。この赤字から黒字転換の増額分を弊社では約500百万円~700百万円と推定している。2016年12月期の修正後の通期予想は為替レートの円高方向への前提値変更を反映したものであり、ここに台湾子会社の業績改善分を上乗せすれば、十分、現在の2017年12月期の中計業績計画には到達できるというのが弊社の見方だ。為替レートの変動は予想が難しく、また、その影響を完全に回避することは出来ない。そうした外部要因で一喜一憂するよりも、同社の三本木・台南両工場の稼働状況を注視することが、2017年12月期はもとよりそれ以後の収益水準や、同社の本質的な競争優位性を評価するうえでは重要なポイントだと考えている。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 浅川 裕之)

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