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築50年超の橋梁の補強工事は急務 老舗・日本橋梁株に脚光も

連日の乱高下が続く株式市場だが、これから「上がる株」はどこを探せばよいのか? 日本インタビュ新聞社代表で経済評論家の犬丸正寛氏は、今後の注目テーマとして「国土強靱化」を挙げる。

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私は、国土強靭化は、単なる株式市場の一テーマに止まるのではなく、大きく発展する可能性があると考えている。懸案となっている中国・韓国との領土問題を含め、沖縄の米軍基地再配置、ロシアとの北方領土の交渉進展具合によっては、日本という国土を改めて見直そうという、田中角栄首相以来の「第二次日本列島改造」という壮大なテーマが浮上するかもしれない。国土強靭化はその中核になるだろう。

そうしたなかで注目している銘柄のひとつが、日本橋梁(東証1部・5912)だ。同社の主力は鋼製の橋梁事業。創業は1919年(大正8年)という老舗で、同社が製作した橋梁は、瀬戸大橋や豊平橋などに使われており、実績は十分。しかし、橋全体を一貫生産する手法が主流となり、しばらく業績は低迷していた。

その後、ファンド(『ジャパン・リカバリー・ファンドIII』)を筆頭株主とし、経営の立て直しを敢行。2011年12月には、オリエンタル白石株式会社を完全子会社化し、綱橋上部工、コンクリート橋上部工、橋梁下部工をトータルで扱える企業グループとして、業績が回復してきた。

現在無配だけに機関投資家の買いは少なく、株価は出遅れている格好。しかし、その分投資妙味があると考えている。

国土交通白書によると、全国に15万7000か所存在する長さ15メートル以上の「道路橋」のうち、建築後50年以上経過した橋の割合は、2011年は9%だったが、10年後の2021年には28%、20年後の2031年には53%に達するという。50年を超えた橋の補修および補強工事は急務であり、全国各地に存在する多種多様な橋に対応できる、同社の長年のノウハウが活かされる余地は大きいだろう。

2013年3月期は、営業利益、経常利益ともに前年から大幅増となった。2014年3月期の業績が堅調に推移すれば、復配の可能性も十分ある。出遅れているだけに、復配となれば大きな材料となるだろう。

※マネーポスト2013年夏号

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