投資

マーケットのセンチメントを考えることで、相場の先を読む

 マーケットのセンチメント(市場心理)が「相場の上げ」を期待しているのか、あるいは「下げを期待しているのか」によって、同じ材料でも反応は全く異なります。マーケットは相場がどうなることを望んでいて、どうなることを望んでいないか、というその時点でのマーケットのセンチメントによって、相場の展開は変わってきます。

 まずはマーケットが「その時何に関心を寄せているか」を知ることが肝心です。これはある程度、相場の概況を伝える日々のネットなどのマーケットレポートを継続して読んでいるとわかることです。

 というのは、いろいろな材料の中でもその時点の相場展開の理由として一番頻度が高く記事に掲載される材料がやはりマーケットの一番の関心事であるからです。日頃からのトレーニングとしては、相場概況を継続的に読むことに加え、さらに踏み込んで、一番頻度の高い記事からマーケットの大勢が今どう相場を考えているのかを推理するクセをつけることだと思います。

 また、注意しなければならないことは、ひとつの材料をテーマにしてある程度の期間相場が進行すると、そのテーマにマーケットは飽きてしまうところがあります。これを相場的に言えば、最初こそ、そのテーマに対する相場のリアクションが大きかったのが、段々とリアクションが限られてくる、つまりは、その方向へのポジションが積み上がってしまうことを示しています。

 そうすると、「その件は織り込み済み」などとして反応が鈍くなり、変わって目新しい違う材料に飛びつき、まだ今までの材料に固執している出遅れ組のロスカットも巻き込んで、相場は反転することになります。

 自分は「マーケットが飛びつくであろう材料」を物色し、いち早く相場に入り、旬が過ぎたと思えば、今までの材料に沿って持っていたポジションを閉じ、できれば次の材料に乗り換えるということが必要になります。

 そのためには、マーケットとっての一番の関心事とそれがまだ新鮮かどうかの鮮度を見極めることが、マーケットセンチメントを読むことで大事になります。まだ、材料が新鮮なうちは、相場はマーケットがどうなることを望んでいるかという前向きな方向に反応しやすく、反対に材料が旬を過ぎて鮮度が落ちると、相場はマーケットがどうなってもらうのは困るという方向に動きやすくなります。

 世界中の市場参加者の心理によって構成されるマーケットセンチメントによって相場は動いているところは大きく、それを読むことは相場の今後の行方を占う上で、大変重要だと思われます。

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水上紀行 プロフィール

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