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【注目トピックス 経済総合】一尾仁司の「虎視眈々」:地球環境対策は成長策に組み込まれるか

2015年11月27日 19:01

〇過去最大エルニーニョがもたらす波紋

アフリカ東部のソマリアを継続的な洪水が襲っている。11月20日、国連人道問題調整事務所から緊急報告がなされ、大洪水により疾病の流行、食糧危機、支援物資不足に陥っていると警告が発せられた。国連の機能マヒが指摘されて(とくに現事務総長になって加速)久しいが、10月19日の発生以来、ようやく重い腰を上げた。ソマリアは元々、内戦による混乱、無政府状態、海賊跋扈で知られ、再び海賊が再燃と米CNNが伝えている。

国連はエルニーニョの影響で、断続的に豪雨・洪水が発生としており、60万人以上が支援を必要としているとした。アフリカでは先に南東部のマラウイでも280万人が過去最悪の飢餓に瀕していると報告している。世界気象機関(WMO)は25日、今年の世界の陸地の年平均気温が観測史上最高となる可能性が高いと発表。地球温暖化と並んで原因とされるエルニーニョは「年末までに過去最大規模になる」と警告した(ピークは来年2月との予測もある)。

国連食糧農業機関(FAO)は11月5日、73品目で構成する食料価格指数は10月に3.9%上昇し、12年7月以来の大幅上昇と報告した。エルニーニョ現象が食卓を直撃、と伝えられ、NZ産牛乳、ブラジル産砂糖、東南アジア産パーム油などで供給懸念が広がっている。

ユニセフ(国連児童基金)は24日、洪水懸念地域に5.3億人、干ばつ地域に1.6億人の子供が居るとする報告書を発表した。

来週30日~12月11日、パリでCOP21(国連気候変動枠組み条約第21回締約国会議)が開催される。パリ同時テロやロシア−トルコの緊張に関心が奪われがちで、新たな合意形成は難しいとの見方(大枠合意も詳細先送りで、TPPと同じパターン)も出ている。

国連の動きが遅まきながらも活発化しているのは、この会合に向けてのものだが、日本政府も発展途上国の温室効果ガス削減への資金支援を2020年に年間1.3兆円に増額する(現在約1兆円)と表明した。米国ではオバマ政権の温暖化対策に既に81社の主要企業が賛同を表明した。世界的なウネリになる可能性はある。

産業的なインパクトが再び高まるか注目される。世界的な省エネ・環境ビジネスが盛り上がるか(日本の場合、中国、インド、東南アジア市場中心)、省エネ・防災型インフラ(水力発電や鉄道など)拡大の思惑、森林整備・保全へバイオマス発電や林業育成の動き、排ガス規制の強化、英国が表明した石炭火力廃止の動き、停滞する再生可能エネルギー再活発化の思惑、さらに原発再投資の思惑などに広がる。

世界が低成長に陥っていると見られるだけに、経済活性化へのテコ入れ策として期待を集める可能性がある。

出所:一尾仁司のデイリーストラテジーマガジン「虎視眈々」(11/27号)

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