投資

「デフレ関連銘柄」復活の可能性も 「2016年買っていい株、いけない株」の見分け方

急落局面でも逆行高する右肩上がりの成長銘柄

私が運用責任者を務める「ひふみ投信」でも、難局相場に負けないよう、さまざまな戦略を組み合わせて機動的な運用を心がけている。参考までに組み入れ上位10銘柄(10月末時点)を紹介しておこう。

1位のあい ホールディングス(東証1部・3076)は、防犯カメラシステム運営や屋外広告用のカッティング機器などさまざまな事業を手がけ、いずれも業界首位となることで増収増益を続けてきた。今期(16年6月期)も増収増益予想であり、まさに持続的な成長が期待できる一社といえるだろう。
2位のダブル・スコープ(東証マザーズ・6619)も車載用充電池で業績を大きく伸ばしており、8月の相場急落局面でも逆行高で右肩上がりの上昇を続けるほど、今後の成長に大きな期待が持てる銘柄である。
一方、3位の三菱UFJフィナンシャル・グループ(東証1部・8306)は小型株中心のひふみ投信らしからぬ銘柄に思われるかもしれない。これは前述の追加緩和期待と郵政上場による大型株相場への手当てであり、「守りながら殖やす」という運用スタイルを貫くためのヘッジ手段と考えていただきたい。
4位の楽天(東証1部・4755)はeコマース企業の筆頭格。5位のシスメックス(東証1部・6869)は国内外での医療サービス拡大が期待されるため、景気変動の影響を受けにくい高成長が見込める。
ほかにも、7位のGMOペイメントゲートウェイ(東証1部・3769)は官民に幅広い取引を展開する決済処理サービス大手で、まだまだ業績拡大が望める。9位のセプテーニ・ホールディングス(ジャスダック・4293)はネット広告代理店のほか、収益化している漫画アプリが次の成長の牽引役になることが期待される。

いずれも前述した「3大不安材料」といった外部要因に左右されにくい銘柄だろう。ここに挙げた銘柄からも見えてくるように、中長期的な展望が望める銘柄選びのポイントは、まず過去の業績が増収増益基調であることが必須となる。そのうえで来期以降も新たな製品やサービスを打ち出すことで増収増益が見込める会社に投資する。

よい会社を見分けるためには経営者の資質を見抜けというが、それは次の段階の話だ。いくら経営者の人柄がよくても、業績がついてこなければ投資対象にはなり得ない。やはり結果を出していることが「よい経営者」の条件である。何より有望な銘柄を探し出すためには、世の中に対する関心を常に持ち、普段から考える習慣をつけておきたい。

世間への関心が増えれば増えるほど、それが投資情報そのものにもなる。そして材料が出た時に「風が吹けば桶屋が儲かる」といったような連想を即座に働かせることができれば、勝利への近道につながるに違いない。
fujino1216

※「マネーポスト」2016年新春号に掲載

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