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【注目トピックス 日本株】明豊ファシリ Research Memo(2):発注プロセスと工事項目別コストを可視化し発注者と共有

2015年12月16日 15:38

■事業概要

(1)コンストラクション・マネジメントとは

コンストラクション・マネジメント(以下CM)とは、米国において普及した建設生産・管理システムである。具体的にはコンストラクション・マネージャー(CMr)が、技術的な中立性を保ちつつ、発注者の代行者または補助者となって発注者側に立ち、基本計画作成や工事発注方式の検討、設計者選定支援、設計マネジメント、施工マネジメント等各種マネジメント業務を通じたコスト管理などを行う発注者支援サービスのことを指す。明豊ファシリティワークス<1717>はCM事業(発注者支援事業)を専業とした国内の先駆け的な唯一の上場企業である。

また、同サービスの契約形態は大きく「ピュアCM方式」と「アットリスクCM方式」の2通りに分かれている。「ピュア方式」とは同社と施主がCM業務委託契約(マネジメントフィー)を結ぶ方式で、設計や施工会社との契約は施主が直接行う格好となる。同社の売上高に計上されるのはマネジメントフィーのみとなり、売上原価としてマネジメントに関わるコストなどが計上される。

一方、「アットリスクCM方式」とは、同社が施主に代わって施工会社と直接、工事請負契約を結ぶ方式のことを言う。売上高はマネジメントフィーに工事管理フィー、建設工事の実費額(コスト)が加算されることになる。売上原価にはマネジメントフィーや工事管理フィーにかかるコスト及び、施主が承認した建設工事の実費額(オープンブック方式)が加算される。工事実費額は売上高と売上原価が同額で計上されることになり、この部分に関しては同社の利益は発生しない。このため、売上高総利益率で見れば「アットリスクCM方式」のほうが低くなる。

どちらの方式を選択するかは、施主側の意向によって変わるため、事業全体で見た場合には「ピュアCM方式」による契約率(または収入)が上昇すれば売上高が減少し、逆に売上総利益率は上昇する傾向となる。このため、同社では経営指標として売上高ではなく、売上総利益と経常利益をベースに収益管理を行っている。

(2)明豊のコンストラクション・マネジメントの特徴

同社は企業理念に「フェアネス」と「透明性」を挙げ、プロが供給側に偏在する中で、施主側に立つことに徹底した独立系発注者支援をメイン業務としている。CM方式の最大のメリットは、一般的な一括請負方式と比較して、発注プロセスと工事項目別コストを発注者(施主)と可視化されたなかで共有し、複数の選択肢の中から顧客が納得する最適な方法を選択、実行できることにある。同社では、20数年に亘る数多くの事例から得られた実勢コストデータベースの蓄積によって、需給バランスが崩れている現在の建設業界にあっても、発注者側に立って適正な査定が出来ることを強みとしている。

「明豊のCM方式」では基本計画や、建築、電気・空調・情報通信・AV機器などの設備工事に至るまであらゆる分野で専門家を社内に配置し、顧客側に立った適正な基本計画づくりやコスト管理・査定を行っている。このため、過大に見積もられた費用があれば元請け業者に指摘し改善させる、あるいは分離発注を行って直接施工業者へ発注することで、余剰なコストを圧縮する。これら手法により、顧客の予算を上限(CAP)とし、顧客要望事項について顧客とともに優先順位付けを行なうことで顧客目標を確実に達成することができることから、管理された予算の中での「プロジェクトの早期立ち上げ」にも貢献している。

昨今、横浜でのマンション杭打ちデータ改ざん問題が話題となっているが、完成した物件の品質保証(瑕疵担保責任)は各設計会社・施工会社が負う中で、CM事業者は高度な専門性をもって各設計会社・施工会社が実施すべきプロセスや報告書等をチェックするなどしており、CM事業者のようなプロが施主側に立つことによって設計及び工事現場での緊張感が生まれ、問題や事故発生の防止に役立っている。なお、同社はマンション工事などの事業は手掛けていない。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)

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