投資

資産2億円の投資家・御発注さん 自身の投資人生の転機を語る

投資で1億円超えを達成した人を、いつからか「億り人」と呼ぶようになった。ハンドルネーム「御発注」さん(30代・投資歴13年)もその一人。御発注さんが、自身の投資遍歴を振り返る。

御発注さんが優待でもらう商品券やクオカード

御発注さんが優待でもらう商品券やクオカード

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今の資産はちょうど2億円ほどですが、社会人1年目の2002年、コツコツ貯めた100万円を有効に使う方法は何かないか探していたのが、株式投資を始めるきっかけでした。

ある日、リンガーハットでランチを食べていたら、株主優待のチラシを見たんです。当時はまだ株式投資への関心もなかったのですが、「株に投資すればご飯がタダで食べられるんだ!」と知ってビックリしました。そこで優待銘柄を調べて、吉野家とワタミを買いました。これが初めての株式投資です。

それから株を猛勉強し、PER(株価収益率)やPBR(株価純資産倍率)、配当利回りに基づいて幅広い銘柄に投資する「バリュー投資」を知り、割安な株に中長期投資するスタイルになりました。

当時は社宅や実家に住んでいて出費がほとんどなく、毎月給料の約8割、16万円を証券口座に入れていました。相場環境もよく、2006年には2000万円まで殖えていましたね。ところが、立て続けに起きたライブドア・ショックやサブプライム・ショック、自らの“誤発注事件”で資産を大きく減らしてしまいました。

この“誤発注事件”は、僕の投資人生の転機となったものです。2010年11月、三光マーケティングフーズを5株買うつもりのところ、間違って500株の成行(なりゆき)買い注文を入れてしまったんです。当時の運用額が3000万円くらいなのに、信用取引で4236万円分も買ってしまった……。

買った直後はストップ高になって喜んでいたのですが、1時間ほど後に証券口座を見てみると「追加証拠金発生の恐れ」という見慣れない警告が……。このとき仕事中だったのですが、トイレに駆け込み、本気で自分の顔を2発殴りましたね。

冷静になって考えた末、まずは半分売却し、残り半分は優待狙いで上昇するころに売ることにしましたが、この“誤発注事件”で200万円の損失を被ってしまいました。それから、もう二度と同じ過ちを起こさないようにと、「御発注」というハンドルネームを付けたんです。

これらの経験から、分散投資をしていても損失からは逃れられず、リスクは同じなのにリターンは限定的だと感じました。だったら、たくさんの銘柄に薄く“分散投資”するのではなく、高配当で本当にバリューな数銘柄に“集中投資”をしたほうがいいと感じ、今の投資スタイルにたどりつきました。

僕の好きな言葉に、「肉を切らせて金を取る」というものがあります。これは『おいでよ どうぶつの森』というゲームに登場する「つねきち」という商売人キャラクターの言葉です。

「身を捨ててこそ浮かぶ瀬もあれ」という言葉もありますが、「捨て身の覚悟で取り組めば、危機を脱し、活路を見出すことができる」ということ。ゲーム中の言葉ですが、本質をついているなと思うんです。これくらいの気持ちと覚悟がないと経済的自由への活路は開けないのも事実ですが、種銭をつくって正しい投資を続ければ、“億り人”になることは誰でもできると思います。

※マネーポスト2016年新春号

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