投資

大勝負で全資産失った投資家が復活して「億り人」になるまで

投資で1億円超えを達成した人を、いつからか「億り人」と呼ぶようになった。ハンドルネーム「Akito」さん(34歳・投資歴15年)もその一人。Akitoさんが、自身の投資遍歴を振り返る。

年間200冊は読書するというAkitoさんの本棚

年間200冊は読書するというAkitoさんの本棚

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僕がまだ大学生だった2000年、それまで貯めてきたお小遣いやお年玉の300万円を元手に株式投資を始めました。昔は、株価が急落したときに買えば素直にリバウンドするようなシンプルな相場でしたが、ライブドア・ショックあたりから通用しなくなってきた。そこで、2008年くらいから、スイングトレードなど、他の手法も勉強し始めました。

そんな時、資産をさらに大きく殖やそうと、全財産をアーバンコーポレイションに突っ込む大勝負を仕掛けました。ところが、同社は2500億円以上の負債を抱えて倒産……。ほぼすべての資産を飛ばしてしまいました。

その後、再び300万円をつくってリスタートし、2011年には1000万円くらいまで殖やすことができました。ここでまた大勝負に出たんです(笑)。注目したのはインヴァスト証券でした。

2013年1月に東証と大証が合併して日本取引所グループが新規上場する予定で、インヴァスト証券はその東証株を3万株以上持っていたんです。しかし、その株は時価評価されていなかったので、上場して時価評価されれば株価は大きく反応すると考えました。

とはいえ、当時のインヴァスト証券は同業他社と比べてIR(投資家向け広報)にまだ向上の余地があると思っていました。例えば、他の上場FX会社は月次報告を出しているのに、インヴァスト証券は出していなかった。そこで企業に直接、「月次を出してほしい」と電話やメールを何度もしましたね。そのおかげか、しばらくしたら発表されるようになりました。

それに、PBR(株価純資産倍率)がかなり低いままだったので、「自社株買いをしたほうが企業価値的にはプラスにはなると思う」とメールしたこともありました。僕のおかげというわけではないと思いますが、1年後に自社株買いを発表。結局、インヴァスト証券に投じた1000万円が最終的には7000万円ほどの利益になりました。

2014年9月に資産総額が1億円を突破したのですが、大きく貢献したのはラーメンチェーンの丸千代山岡家。山岡家は飲食店なのに株主優待がなかったので、「御社は株主優待を導入するお考えはありますか?」と企業に直接メールしたところ、「そういうことも視野に入れている」という返事がありました。そこから本格的に買いました。するとその後、優待新設の発表があったから驚きです!

僕の投資手法は「割安バリュー株への集中投資」ですが、割安だからといって必ずしも株価が上がるわけではありません。株価水準の訂正を促す材料、つまり「カタリスト」が必要なんですよね。業績の上方修正でも自社株買いでも、テーマ性でも何でもいい。企業を一生懸命研究して、どんなカタリストがあるかを見越して買うことが大切だと思います。

僕が今も心に刻む大切な言葉が、小学校卒業のときに恩師からもらった「生涯勉強」です。人は学び続けないと成長が止まってしまうもの。勉強をやめたときが天井になります。そうならないよう、これからも勉強し続けたいですね。

※マネーポスト2016年新春号

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