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三井化学(4183):事業再構築すすめた化学メーカー。原油安の追い風受け、収益拡大へ

三井化学(4183)市場平均予想(単位:百万円)

tomatsu1228

企業概要

三井グループ系の総合化学メーカー。同社及び105社の子会社と31の関連会社で構成されます。ヘルスケア、機能樹脂、ウレタン、基礎化学品、石化及びフード&パッケージングの製造販売を主に事業展開しています。

石化事業のナフサクラッカー、ポリプロピレン(PP)は国内トップです。自動車生産台数の増加を追い風にPPコンパウンド事業が好調です。原油価格の下落により、原料コストが低下し、利益率が急激に改善しています。

事業戦略では、機能性材料など成長分野を強化し、スペシャリティ製品のウェイト増に注力しています。

注目ポイント

原油価格高騰時にスペシャリティ製品の拡大に注力し、筋肉質となってきたところで、原油安の追い風が吹いてきている印象です。

需給面で見ると、米国では旺盛な自動車需要が継続しており、引き続きPPコンパウンドが好調に推移する見通しです。一方中国では、10月から実施された小型車減税(自動車取得税の引下げ10%から5%)が追い風となり、10月新車販売台数は前年同月比11.8%増加しているなど、同社のモビリティ領域の伸長に期待できると思います。中国ではオムツ人気により2015 年3 月より機能性コンパウンドを増強(年産1.1 万トン)しており、この寄与も期待できます。

一方、2012年3月期から不採算事業の再構築をスタート。2014年3月期には特別損失を368億円計上、事業再構築にかけた費用はおよそ600億円に上り、再構築中は最終赤字となりましたが、2015年3月期には特損も一巡し、再構築の効果で120億円の黒字化を達成しました。そして2016年3月期通期は350億円となる見通しでV字回復までもうすぐ、といった状況です。更に2017年3月期はウレタン不採算事業の閉鎖による増益幅の拡大が期待されます。

また収益拡大により財務体質改善も概ね完了したと言ってよいでしょう。D/Eレシオ:1.00倍前期末比で0.22ポイント改善。通期では0.98倍の見通しです。

事業再構築による効果が発現してきた中で、今後は成長分野のターゲット事業領域にある、収益性高い自動車、へルスケア、フィルム分野の強化に戦略投資をしていくという方針で、スペシャリティ製品のウェイト拡大が見込まれます。

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