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【注目トピックス 日本株】ファーストブラザーズ Research Memo(4):良好な不動産売買市場を背景に2度の業績予想上方修正を発表

2016年2月19日 8:20

■業績動向

(1) 2015年11月期連結業績解説

ファーストブラザーズ<3454>の2015年11月期決算は、売上高4,557百万円(前期比57.5%減)、営業利益2,832百万円(同26.7%増)、経常利益2,658百万円(同23.4%増)、親会社株主に帰属する当期純利益1,661百万円(同2.5倍)。減収ながら大幅増益であり、また、営業利益、経常利益に比べ純利益の伸びが大きくなっている。これは2014年11月期に特殊要因があり売上高から経常利益までかさ上げされたことが大きい。この特殊要因はやや難解なため、まずこれについて説明する。

リーマンショック前に組成した複数物件に投資するSPC(合同会社半蔵門リアルティ)では、同社が劣後匿名組合出資を、金融機関が優先匿名組合出資(実体はメザニンローン)を行うというファイナンス手法を用いていた。当該SPCは支配力基準から同社の連結対象としていた。リーマンショック後の不動産価格下落を受け、連結決算において評価損を認識した。その後、2014年7月に物件売却を完了。不動産価格の回復を受け、切下げた簿価以上で売却できたため売却益を計上。この売却益を評価損の戻入益として、まず優先匿名組合出資者に分配したが、未払いの配当が累積していたこともあり、劣後匿名組合出資者の同社は分配を受けるに至らなかった(結局、出資金は全損)。したがって当該SPCにかかる売上高52.5億円、営業利益10.6億円、経常利益10.2億円は、2014年11月期の連結決算に計上されたが、同社にはまったく帰属しないため、少数株主利益として利益の全額が控除された。なお、当該SPCは物件売却完了に伴い、連結範囲から除外されている。

2014年11月期に当該SPCが連結されていなかったとした場合、2015年11月期業績の前期比は売上高16.6%減、営業利益2.4倍、経常利益2.4倍となる。それでも前期比減収になったのは、2014年11期には自己勘定投資物件の売却29.7億円があったのに対し、2015年11月期には自己勘定投資物件の売却がなかったため。

売上総利益は3,989百万円(修正前期比71.6%増)と大幅増。うち、投資運用事業が2,585百万円(前期比2.6倍)とけん引した。不動産市況は高値圏にあるとの認識からファンド保有物件の売却を積極的に進めた結果、ディスポジションフィー、インセンティブフィーが膨らんだ。なおファンド投資家との守秘義務契約によりフィーの内訳は非開示だが、ディスポジションフィー、インセンティブフィーで同セグメントの売上総利益の半分以上を占めたとみられる。2014年11月期の方がファンド保有物件の売却が多かったが、レスキュー案件の売却が多くフィーの寄与は少なかったとみられる。

投資銀行事業の売上総利益は1,403百万円(修正前期比5.6%増)。自己勘定投資物件の売却がなかったほか、セイムボート投資案件の売却も前期比では少なかったが、自己勘定投資の積極推進による賃料収入の拡大でカバーし小幅増益となった。

期中2度(1Q決算発表時の2015年4月8日及び10月9日)に会社業績予想の上方修正が発表されており、さらに10月9日発表の修正予想を若干上回って着地した。

期初予想に対しては、売上高が9.5億円、営業利益が7.8億円、経常利益が8.2億円、純利益が5.9億円、それぞれ大幅に上回った。ファンドにおいて高値での無理な取得を行わなかったため、関連フィーは期初の想定をやや下回った。一方、ファンドにおいて当初予定していなかった物件を売却したことや、不動産売買市場の過熱を受け想定以上の価格で売却が進んだことによりインセンティブフィー及びセイムボート投資のキャピタル配当がそれぞれ期初の想定を4億円弱上回った。また、債権投資のEXITによるキャピタルゲインが想定を0.8億円上回り、全体では期初予想を大幅に上振れて着地した。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 堀部 吉胤)

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