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【注目トピックス 日本株】ソフトバンテク Research Memo(7):16年3月期は改めて“基礎固め”が進められた年

2016年2月22日 8:21

■2016年3月期の見通し

阿多社長は2012年の社長就任以来、構造改革を掲げ、新しい成長モデル作りに取り組んできた。目指したものは、機器販売からサービス提供へのビジネスモデルの転換、ソフトバンクグループ以外からの受注拡大、人員増強による大型案件の受注獲得、オンリーワンの独自技術の拡充などである。そのための“基礎固め”として、積極的な人材獲得を行い、M&Aも展開してきた。方策は実を結び、構造改革は着実に進んだが、一方で、改革に伴う“ゆがみ”も発生した。人員の増強により固定費が増え、利益を圧迫した点、組織拡大に現場の統制が追い付かず、大型の不採算案件を出してしまった点などである。2014年2月に本社を新宿区・東新宿に移転し、単体はもちろん、子会社の従業員もワンフロアで働ける“垣根のない”環境を作り出すなどの方策を取ってきたものの、急激な構造改革に現実が追いつけなかった部分があった。

そこで、阿多社長は2015年3月期から改めて“基礎固め”に動き出す。その成果が2016年3月期第3四半期までに顕著に現れた。阿多社長が改めて行った“基礎固め”は、「プロジェクト管理体制の強化」である。具体的には、1)プロジェクトの管理資格(PMP)の取得推奨、2)専門組織によるプロジェクト進行状況の確認の徹底、である。

プロジェクト管理資格の取得推奨は、社員のスキル向上に加えて、プロジェクト管理の円滑化にも大いに貢献した。資格取得者の管理能力が向上するとともに、メンバーも共通の認識を持ってプロジェクトに臨めるようになった。2016年3月期第3四半期末で資格取得者は39人と、2014年9月末に比べ4倍以上となった。なお、PMPに関しては、2016年3月末には取得者を50人にまで引き上げる計画となっている。

専門組織によるプロジェクト進行状況の確認の徹底では、プロジェクトマネジメントオフィス(PMO)という専門組織によるプロジェクト進行状況の適宜確認が徹底された。プロジェクトには、「要件定義」「開発工程」「テスト工程」「納品」という大きな流れがあるが、フェーズごとにPMOがチェックを入れる体制となった。

これら2つの方策により、プロジェクトの種別に応じた最適なチーム構築が実現、さらに、見通しが悪い案件を早期に発見し、支援体制を敷くことができるようになった。案件の品質も向上し、やり直しの減少にもつながった。その結果、2015年12月末時点で大型の不採算案件は発生していない。

2016年3月期通期の業績予想を達成するには、まず、大型不採算案件を出さないことが最も重要となる。裏を返せば、業績予想を達成できれば、阿多社長が改めて取り組んだ“基礎固め”が完了したことにもなる。

さらに、業績予想の達成は、“基礎固め”の完了を意味するだけでなく、これからの成長に向けた第一歩を踏み出すという意味もある。すでに、第2四半期決算説明会で阿多社長が説明したとおり、1)注力3事業を「SBT Azure」上で融合させてひとつのクラウドソリューションを提供する、2)「SBT Azure」における注力事業の融合をIoTに発展させていく、という新しい成長戦略の“概要”を具体的なビジネスとして本格展開していくことになろう。

なお「SBT Azure」は、注力3事業を融合させてひとつのクラウドソリューションを提供するというビジネスモデルである。ソフトバンク・テクノロジー<4726>は今までの構造改革で、注力3事業を中心にクラウド上で稼働させる独自のサービスを増やし、ストック売上高を伸ばしてきた。「SBT Azure」はこれをさらに一歩進めたビジネスである。

2016年3月期第3四半期(9月−12月期)においても、新成長戦略に基づいたビジネスはスタートしている。1)に関しては、すでに触れたが、データアナリティクス事業での大型案件などが挙げられる。2)に関しては、10月にドローンを使ったソーラーモジュール検査サービスのためのIoTプラットフォームの共同事業、ソフトバンクの人型ロボット「Pepper」とデジタルサイネージの連携などがリリースされたほか、12月には Pepper のセリフと動作設定を提供する「Smart at robo for Pepper」が(株)イオン銀行イオンモール常滑店で接客サービスに導入された。2016年3月期通期決算の業績予想が達成されれば、将来の同社の柱となるビジネスモデルがどのような形になるかが投資家に対してより分かりやすく提示される可能性もあるだろう。

以上のことから、2016年3月期通期の業績は、投資家にとっても、今まで以上に注目に値すると言えよう。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 柄澤 邦光)

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