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【注目トピックス 日本株】エイアンドティー Research Memo(2):ニッチ市場において特殊な技術で参入障壁を確立

2016年3月9日 7:35

■2015年12月期決算

エイアンドティー<6722>は、血液検査に必要なあらゆる製品を開発・製造販売している。そのため、単一のセグメントとなっているが、商品は以下の4つの系列に分かれている。1)「臨床検査機器システム」。これは血液検査を行う「検体検査装置」、検査で得られたデータをまとめ、管理し、分析しやすくするITシステム「臨床検査情報システム」、検査で使う複数の装置をベルトラインでつなげ、自動的に検査作業を行う「検体検査自動化システム」を一括りにした系列となる。2)検査の際に使用する「臨床検査試薬」。3)センサーや電極など検査装置の「消耗品」。4)最後は「その他」。様々な機器を組み合わせてシステム化した場合に、他社製品を組み込むことがあるが、「その他」はその場合の他社製品の売上分となる。ちなみに、2014年12月期までは「その他」の売上高に「検体検査装置」のサービス、保守、修理代金とリース料を計上してきたが、2015年12月期からは「検体検査装置」の売上高に計上することになった。「臨床検査情報システム」と「検体検査自動化システム」に関するこれらの売上は既に各システムの売上に計上されていることから、今後、「その他」の売上は純粋に他社製品の売上分のみとなる。なお、検体検査機器、試薬、消耗品は創業当時からのビジネスであり、臨床検査情報システムと検体検査自動化システムは新規事業として後に事業化された。同社の事業を理解するために、以後はこれら製品系列別に分析を行う。

(1)概要

業績の具体的な説明に入る前に同社の特長を簡単に触れる。これを把握しておけば、業績や将来の見通しの分析がしやすくなるからである。

同社は医薬品と医療機器をすべて合わせた市場(約39兆円)のうちの血液検査という分野に絞って事業を展開している。足元では、同社の売上は約95%が国内であり、非常に安定した収益を確保できるビジネスモデルとなっている。その主な理由は以下のとおりである。

第1に市場規模が小さく、新規の参入余地が極めて狭い。国内の血液検査の装置・試薬は約5,300億円程度で、非常にニッチな市場である。また、新規事業に位置付けられる臨床検査情報システムも市場規模も150億円、検体検査自動化システムも35〜40億円の市場規模しかない。さらに、これら市場は人口減少でそれほど成長率が高くない半面、高齢化に伴い急激な縮小も起こらない。

第2に特殊な技術が必要であり、技術面での参入障壁も高い。一方、同社は電解質、グルコースの血液検査に必要なセンサーで他社に特に秀でた技術を持つ。製品も付加価値の高い高機能品が中心で、その面でも差別化ができている。業界に必要不可欠な会社と言える。第3に参入障壁が高い市場で秀でた技術力を持っているため、ライバル他社との提携による製品の相互供給も行える。そのうち、ライバルからの製品調達は利益を出しにくいという問題はあるものの、OEMは大きな収益源となっており、ライバルを通じても収益を伸ばせる立場にある。第4に機器やシステムを納入すれば、試薬や消耗品の販売、メンテナンスサービスといったビジネスが継続して収益貢献する。加えて、システムや機器の更新の際も継続して受注できる可能性が高い。

以上の特長を踏まえた上で、業績を分析する。2015年12月決算(非連結)は、売上高が前期比5.9%増の10,138百万円、営業利益が同40.4%増の1,202百万円、経常利益が同42.2%増の1,183百万円、当期純利益が同84.3%増の839百万円となった。売上高は7期連続、営業・経常利益は過去最高を更新した。また、2015年7月に発表した上方修正後の業績予想に比べても売上高は1.3%、営業利益は7.3%、経常利益は7.5%、当期純利益は19.8%上振れとなった。

経常利益率は同3.0ポイント増の11.7%と大幅な増加を達成し、今までマイルストーンとして掲げてきた売上高100億円以上、売上高経常利益率10%以上の目標の両方を実現した。以下の売上高及び利益の検証で細かく説明するが、自社が持つ経営資源を生かして着実に売上を伸ばし、合理的で無理のないコストコントロールによって利益を出すという、まさに経営の“王道”を貫いた成果である。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 柄澤 邦光)

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