投資

桐谷広人氏 株主優待券使い切るために1人でボウリング12回

kiritani現金をほとんど使わず、株主優待品のみで生活を続ける異色の投資家として大ブレイク中なのが、「桐谷さん」こと、元プロ棋士の桐谷広人氏。現在は400銘柄の株主優待銘柄を保有しているという桐谷さんが、株主優待投資の魅力と自身の優待ライフについて語る。

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優待品の使い勝手も最近変わりつつありますね。ある映画配給会社の優待券は、以前は金券ショップで小分けにして売れたのですが、今では、株主名が記載された表紙がないと無効になる回数券方式に変更され、換金しにくくなってしまいました。結局、自分で使うしかなく、年間約140本の新作映画を観ています。

もちろん銘柄は入れ替えをしますが、いい優待銘柄は長く保有します。私の場合、松竹(映画配給)の優待券をよく使いますが、これがあるからこそ、埼玉県川口市の映画館に出掛けることができます。

せっかく川口まで行くので、ついでにコロワイドの優待カードが使える「尾張とんかつ専科 銀豚」に食べに寄り、アルペン(スポーツ用品販売)のアウトレットコーナーを設けている店舗で優待券を使って買い物をします。そこから30分歩き、蕨市のスポーツクラブを株主優待で利用するなど、周辺店舗を巡る楽しみがあります。

したがって、松竹の株価が値上がりしても売却しません。売ってしまうと、その街に行かなくなるからです。錦糸町や木場にもよく映画を観に行きますが、同様の理由で東京楽天地や東急レクリエーションの株も売りません。

とはいえ、株主優待株を400銘柄も持っていると、優待券や優待品の期限に追われる毎日です。カタログギフトで商品も選ばないといけない。月末は締め切りに追われて、すごく辛いんです。しかし、優待が紙切れになるのはもっと辛い。優待券を使い切るために1人でボウリングを12ゲーム、必死にボールを投げ続けたこともありました。でも、そうしたことも含め、私には楽しい毎日です。

株は暴落するのが怖いという声もよく聞きますが、人生にリスクはつきものです。リーマン・ショック時も暴落しましたが、市場は回復している。よほどのことがない限り、耐えていれば大丈夫だというのが実感です。余剰資金で優待銘柄を長期保有しておくのは、定期預金に預けておくのと同じぐらい安全だと私は思っています。いざという時に優待品は命綱にもなる(笑)。優待投資でより楽しい人生を送ることができるのではないでしょうか。

【プロフィール】
●桐谷広人(きりたに・ひろと):1949年生まれ。現役プロ棋士時代から株式投資を始め「財テク棋士」と呼ばれる。2007年に現役引退後、優待投資家として注目を集め、現在『月曜から夜ふかし』(日本テレビ系)にイレギュラー出演中。単行本『桐谷さんの株主優待ライフ』(小学館)が好評発売中。

※マネーポスト2014年新春号

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