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【注目トピックス 日本株】カルナバイオ Research Memo(2):キナーゼ阻害薬は治療効果が高く副作用が少ない、大量生産も可能

2016年3月29日 16:25

■会社概要

(1)会社沿革

カルナバイオサイエンス<4572>は2003年4月にオランダの大手製薬企業であったオルガノンの日本法人である日本オルガノン(株)の医薬研究所からスピンオフし、キナーゼに特化した創薬支援事業及び創薬事業の展開を目的として、兵庫県神戸市に設立された会社である。

2003年4月に神戸の地で創業し、神戸国際ビジネスセンター(KIBC)内に本社事務所およびラボを開設。2004年には神戸バイオメディカル創造センターに動物実験用のラボを開設し、動物実験を開始した。2008年3月には株式をJASDAQ NEO市場に上場し、翌月には米国に初の海外拠点となる販売子会社CarnaBio USAを設立した。2010年より本格的に創薬研究に注力し、2015年6月には同社として初となる医薬品候補化合物のライセンス契約を、米J&Jの医療用医薬品部門のひとつであるヤンセン・バイオテック社と締結している。

(2)キナーゼ阻害薬の特徴

従来の抗がん剤などは、重篤な副作用を引き起こすなど、治療効果と比較して、患者にとって肉体的、精神的負担が大きいものであったが、2001年に米国FDAで慢性骨髄性白血病を適応疾患としたグリベックが承認されて以降、次々とキナーゼ阻害剤が世に送り出されてきた。このキナーゼ阻害剤の特徴としては、飲み薬であること、ならびに従来の治療薬と比較して治療効果が高く、副作用が少ないことが挙げられる。このため、キナーゼ阻害薬は代表的な分子標的薬※として世界の大手製薬企業や研究機関等で研究開発が進められている。分子標的薬としては、他に抗体医薬品(高分子)も研究開発が盛んに行われているが、低分子薬と抗体医薬品との違いについて見ると、抗体医薬品はバイオ医薬品であり、その作製には大掛かりな細胞培養設備が必要となるため、極めて薬価が高く、また注射剤であることから通院による治療が必要で、患者の負担が比較的大きい薬と言える。一方、キナーゼ阻害薬は低分子化合物であるため、化学合成による大量生産が可能で薬価を低く抑えることができるほか、経口薬であることから在宅で処方することが可能であり、患者負担が軽いといった特徴がある。

※分子標的治療薬とは、病気の原因となる特定の分子に対して、その分子の機能を抑制する薬のこと。

(3)キナーゼ阻害薬の創薬研究プロセス

キナーゼ阻害薬の創薬研究では、まず創薬研究を行う対象疾患の標的となるキナーゼの特定から始まる。そして、この特定のキナーゼの働きを阻害する可能性のあるヒット化合物をスクリーニング工程により選び出す。このヒット化合物の中からさらに薬の候補となりそうな化合物を数種類選び出し、それらを基にしてさらに類似化合物を合成し、選択性の向上や副作用の低減が進むよう分子構造の「最適化」を行っていく。例えば、標的Aというキナーゼがあれば、Aのみを阻害する化合物であることが副作用の少ない薬を開発するうえで重要となるためだ。化合物がどのキナーゼの働きを抑えて、どのキナーゼの働きを抑えないかを判定する試験をプロファイリングと呼んでいる。こうした研究プロセスを経て最適化された化合物のなかから、前臨床試験へ進める医薬品候補化合物を見つけ出していく。

こうした一連のキナーゼ阻害薬の研究プロセスの中で重要となるのは、スクリーニングおよびプロファイリングで用いられる薬の評価システム(アッセイ系)にある。このアッセイ系において用いるキナーゼタンパク質の品質が高く、測定システムの精度が高く、また結果の再現性が高くなければ、良い薬を選び出すことが困難となり、研究効率も低下してしまうためだ。同社ではこうしたスクリーニングやプロファイリングのノウハウ、及び高品質なキナーゼの作製技術を持っていることが強みとなっている。同社が保有するキナーゼの種類は2016年3月現在347種類、422製品となっており、キナーゼの製品数では世界トップクラスであり、高品質なキナーゼを作製できる技術力を持っていることが強みとなっている。ちなみに、ヒトの細胞内には518種類のキナーゼが存在すると言われているので7割弱をカバーしていることになる。キナーゼの作製やスクリーニングサービスなどを行っている競合企業としては米サーモ・フィッシャー・サイエンティフィック社、独メルク・ミリポア社などがある。

大きく分けて低分子医薬と抗体医薬がある。抗体医薬は、主に細胞の表面の受容体に、リガンド等のタンパク質が結合するのを阻害する。細胞の中で培養して作製されるため、製造コストが高くなる。また、バイオ医薬品であるため同様の薬剤を作製することが難しく後発薬が出づらい。製薬企業の売上に貢献する反面、医療経済上の財政を圧迫する一因ともなっている。さらに、注射剤であることから、投与のために通院を必要とする。それに対し、低分子医薬は、細胞の中に入り込み、細胞内の様々な分子の働きを制御する。したがって、細胞内の信号伝達を司るキナーゼに対して細かなコントロールが可能となり、特定のキナーゼの働きを阻害するものができれば、大きな治療効果を期待できるとともに、副作用が少ない薬剤となる。錠剤やカプセルとして処方され、在宅でも服用でき、また化学合成により安価に作製できるため、薬価も抑えられる特徴がある。ジェネリック医薬品に置き換わると製薬企業の売上が激減するが、画期的な薬剤が安価に広く世にでることは、開発途上国の患者にも利用されることとなり、社会的意義は大きい。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)

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