住まい・不動産

銘菓も名所もないのに… 埼玉県民が「住みたい街」躍進に違和感

浦和は住みたい街8位にランクイン

 映画『翔んで埼玉』のヒットで注目を集める埼玉県に、またもや朗報が届いた。リクルート住まいカンパニーが発表した「住みたい街ランキング2019 関東版」で、大宮が昨年の9位から4位に、浦和が同10位から8位へと躍進したのだ。

 だが、生まれも育ちも埼玉である記者は「住みたい街」という括りで、横浜、恵比寿、吉祥寺と並んで大宮と浦和がランクインする事態に、少なからぬ違和感を抱いた。さいたま市内で美容室を経営するAさん(40代女性)も、同じく「違和感がある」という。

「確かに東京へのアクセスは良いかも知れませんが、関東でベスト10入りするほどの魅力があるかは疑問。たとえば、地方から埼玉に引っ越してきたお客さまに『実家に帰省するのに、この辺の名物を手土産にしたいんだけど、何かありますか』と訊かれた時に、答えに困るくらい何もないんですよ。

 全国的に有名なのは草加せんべいですが、草加はこの辺(さいたま市)じゃない。テレビ埼玉のCMで有名な『十万石まんじゅう』にしても、私自身が食べたことがない。大宮のエキナカで新幹線の乗車前に買える美味しいお菓子は、東京のお店ばかり……。北海道の『白い恋人』や仙台の『萩の月』のような全国区の名物が、何もないんです」

 問題は“銘菓不在”ばかりではない。Aさんが続ける。

「同じように、『地方から遊びに来た親戚や知人を案内できる、近場のお勧めスポット』もよく尋ねられますが、やはり答えに詰まってしまう。私が家族揃って出かける先と言えば『ディズニー』ですが、あれは千葉であって埼玉じゃない。食事と街歩きを楽しむんだったら、私は横浜中華街が好きです。これを勧めたら、私がまるで千葉や横浜の回し者みたいなので、したくないんです。結局、遠くから来た人を案内できる場所が、埼玉にはない」

 大宮の鉄道博物館(てっぱく)は全国区の知名度があるはずだが、万人受けするかとなると、難しい面もあるようだ。

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