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【注目トピックス 日本株】クリレスHD Research Memo(4):16/2期は大幅な増収増益を実現、初の売上高1000億円を突破

2016年4月21日 8:04

■決算概要

(1)「グループ連邦経営」の進捗と業績推移

過去5年間の業績を振り返ると、新規出店及びM&Aによる店舗数の拡大がクリエイト・レストランツ・ホールディングス<3387>の業績の伸びをけん引してきた。特に、2013年2月期から「グループ連邦経営」による新たな成長戦略に舵を切ったことが転機となった。成長性のある様々な業態をグループ化するとともに、更なる出店拡大をバックアップすることで高い成長性を実現しながら、立地の多様性と専門ブランドの拡充を図ってきた。立地別店舗数の構成比を見ると、2012年2月末には商業施設(郊外SCと都市型SCの合計)が78.4%を占めていたが、2016年2月末には商業施設が48.6%に縮小した一方で、駅前・繁華街(26.3%)やロードサイド(12.8%)が新たに追加されており、バランス型の立地ポートフォリオが確立されてきた。

財務面では、財務基盤の安定性を示す自己資本比率は、2012年2月期までは35%を超える水準を確保していたものの、2013年2月期には、三菱商事が保有していた株式をTOBにより取得し、そのうちの約8割を消却したことにより19.7%にまで低下した。また、2014年2月期に自己株式の売却による自己資本の増強を行ったことや、2015年2月期にはSFPダイニングの株式上場(子会社上場)に伴う新株発行により自己資本比率は32.4%にまで一旦改善したが、前期(2016年2月期)にはKRフードサービスの買収により再び24.1%に低下している。ネット有利子負債も18,265百万円に大きく増加した。

キャッシュフローの状況は、2013年2月期までの投資キャッシュフローは、安定した営業キャッシュフローの範囲内で推移してきたが、2014年2月期以降は、積極的な新規出店やM&Aにより投資キャシュフローが大きく拡大している。

今後も積極的なM&Aによる成長を目指す同社にとって、財務基盤の増強は課題の1つとして考えられるが、ネットD/Eレシオは1.04倍※1、ネット有利子負債キャッシュフロー倍率は1.76倍※2を確保しており、これまでの実績や潤沢な営業キャッシュフローから判断して当面の資金調達力には懸念ないものと考えられる。

※1ネットD/Eレシオ=ネット有利子負債÷自己資本にて計算。一般的には1倍以下であれば安全性に懸念がないと評価される。
※2ネット有利子負債キャッシュフロー倍率=ネット有利子負債÷営業キャッシュフローにて計算。ネット有利子負債を何年分の営業キャッシュフローで返済できるかを判断する指標であり、一般的には10倍を超えると返済能力に懸念があると評価される。

(2) 2016年2月期決算の概要

2016年2月期の業績は、売上高は前期比49.0%増の103,271百万円、営業利益は同62.1%増の6,749百万円、経常利益は同67.4%増の7,340百万円、当期純利益は同48.9%増の3,321百万円と大幅な増収及び経常増益となり、創業以来、初めて売上高1,000億円を突破するとともに、経常利益も過去最高益を達成した。

また、同社は通期予想の増額修正を2回行っているが、2回目の修正業績予想に対しても、売上高、営業利益、経常利益ともに計画を更に上回る着地となった。ただ、当期純利益は、後述するとおり、一過性の特殊要因等により減益となり計画も下回った。

売上高は、CRカテゴリーが堅調に推移するなかで、順調に店舗数を拡大したSFPカテゴリーと、KRフードサービスの連結化により専門ブランドカテゴリーが大きく伸長した。また、売上高が計画を上回ったのは、既存店売上高が100.7%(計画は99.4%)と好調に推移したことと、SFPカテゴリーなどで新規出店が計画を上回ったことによる。なお、グループ全体での新規出店数は108店舗(計画は99店舗)、M&Aによる増加は109店舗、退店は38店舗、期末店舗数は795店舗(前期末比179店舗増)となっている。

損益面では、CR社の郊外商業施設の一部における利益率の低下があったものの、都市部及び高価格帯業態の好調、SFP社およびKR社の連結貢献や海外事業の黒字転換により経常増益となり、経常利益率も7.1%(前期は6.3%)に改善した。なお、当期純利益が減益となったのは、1)前期のSFP株式上場に伴う増益要因(持分変動利益の発生)がはく落したことに加えて、2)減損損失の計上(KRフードサービスのタイJV、CRカテゴリーの沖縄店舗等)、3)ビール会社からの協賛金計上方法の変更に伴う法人税の増加、4) SFPカテゴリーの利益貢献(比重)が想定よりも高くなったことによる少数株主利益の増加によるものであり、そのうち1)以外は想定外の要因であった。

財務面では、総資産がKRの連結化や店舗数の拡大により72,530百万円(前期末比54.2%増)と大きく拡大した一方、自己資本は利益剰余金の増加により17,501百万円(同14.8%増)であったことから自己資本比率は24.1%(前期末は32.4%)に低下した。ネット有利子負債残高も18,265百万円(前期末比663.3%増)に増加した。

カテゴリー別の業績は以下のとおりである。

CRカテゴリーは、売上高が前期比8.0%増の39,084百万円、カテゴリー利益は同1.9%減の3,469百万円と増収減益となった。計画に対しては、売上高はほぼ想定どおり、カテゴリー利益は若干想定を下回った。前期出店分の通年寄与や新規出店45店舗に加えて、既存店売上高が101.5%(計画は99.9%)と伸びたことが増収に寄与した。ただ、インバウンド需要の増加等により都心部の店舗(特に高価格業態)が好調であった一方、郊外及び地方エリアの店舗は消費需要の低迷により苦戦したようだ。その対策として、平日ランチに低価格ビュッフェを導入したことで売上高は計画どおりの水準を確保したが、利益率の低下を招いたことから利益面では計画を下回る減益となった。期末店舗数は、新規出店45店(退店20店)により381店舗(前期末比17店増)に拡大した。

SFPカテゴリーは、売上高が前期比61.9%増の36,091百万円、カテゴリー利益は同104.6%増の4,349百万円と大幅な増収増益となった。計画に対しては、売上高はほぼ想定どおり、カテゴリー利益は想定を上回った。前期出店分の通年寄与や積極的な新規出店44店舗に加えて、決算期変更により14ヶ月分が連結対象になったこと(約44億円の増収要因)が増収に寄与した。なお、新規出店については、好調な「磯丸水産」のほか、新たな業態として確立した「鳥良商店」※の6店舗が含まれている。また、新規出店分が好調であったことから利益面でも計画を上回る増益となった。新規出店44店舗(退店ゼロ)により期末店舗数は176店舗(前期末比39店舗増)となった。

※主力業態である手羽先唐揚専門店「鳥良」よりも客単価の低い(カジュアルな)鶏料理業態

専門ブランドカテゴリーは、売上高が前期比203.9%増の25,198百万円、カテゴリー利益は同248.5%増の1,739百万円と大幅な増収増益となった。計画に対しては、売上高、カテゴリー利益ともにほぼ想定どおりであった。2015年7月に連結化したKRフードサービスによる上乗せ(8ヶ月間で推定155億円)のほか、2014年6月に連結化したYUNARIが期初から寄与(3ヶ月間で推定5億円)したこと、更には2015年9月にアールシー・ジャパン※を連結化したことにより業績は大きく伸長した。特にKRフードサービスは、主力の「かごの屋」が堅調に推移したことに加えて、サービス(及びパーキング)エリア向けの受託事業が順調に拡大したようだ。新規出店13店舗(退店9店舗)、M&Aによる増加分98店舗により期末店舗数は192店舗(前期末比110店舗増)となった。

※2015年8月31日にオリエンタルランドから株式を取得。東京ディズニリゾート内にある商業施設イクスピアリでの人気レストラン「レインフォレストカフェ」など4店舗の飲食店舗を運営している。著名な海外ブランド獲得によるブランドラインナップの強化と観光立地における事業強化に狙いがあるとみられる。

海外カテゴリーは、売上高が前期比14.1%増の2,832百万円、カテゴリー利益は164百万円(前期は147百万円の損失)と増収及び黒字転換となった。シンガポール及び香港が好調に推移したことに加えて、中国(上海)における不採算店舗の閉鎖を計画どおりに進めたことにより損益改善を図った。2015年11月に「つけめんTETSU」(YUNARI初の海外店舗)、12月には「ポムポムプリンカフェ」※を香港にオープンするなどグループ内シナジーの創出にも取り組み、新規出店11店舗(退店9店舗)、M&Aによる増加分11店舗(KRフードサービスの買収により獲得した店舗を含む)により期末店舗数は46店舗(前期末比13店舗増)となった。

※サンリオ<8136>とのコラボレーションによるキャラクターカフェ。CRカテゴリーにて、国内では3店舗(原宿、梅田、横浜)を展開している。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田 郁夫)

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