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【注目トピックス 日本株】アキュセラ Research Memo(6):ウェット型での適応の可能性もあり市場価値はさらなる上昇も

2016年4月26日 7:58

■アキュセラ・インク<4589>のエミクススタトの成長性について

(3)「エミクススタト」の開発スケジュールと成長性について

現在、「エミクススタト」は臨床第2b/3相試験の全被験者が投与期間を終え、最終被験者による来院も完了した段階にある。2016年6月頃にはトップラインデータを発表する予定となっており、その後、さらなるデータ解析を行い、次の臨床第3相試験の必要性の有無を含め、計画の検討に入る見込みだ。さらに臨床第2b/3相試験のデータ分析結果にもよるが、臨床第3相試験を実施する場合、投与期間をFDAが定める最短の1年に設定することも考えられる。臨床第2a相試験では統計学的有意差とは言えないまでも3ヶ月の試験結果に「エミクススタト」投与群とプラセボ群と差に有望な傾向が示されたためだ。地図状萎縮病変は、プラセボ群が平均0.2平方ミリメートルに進行したのに対し、「エミクススタト」投与群は-0.1から0.0平方ミリメートルまでとほとんど変化がなく進行が抑制された。尚、プラセボ群の病変の変化は、組織学的な検討から地図状萎縮を伴う加齢黄斑変性における病変の変化とほぼ一致している。また、臨床第2b/3相試験では被験者の登録開始から完了まで約1年と短期間であったため、臨床第3相試験を行う場合は、より早期に被験者登録が完了する可能性が高い。臨床第2b/3相試験で良好な結果が出れば、臨床試験参加を希望する患者が増えることが容易に想像されるためだ。

なお、臨床第2b/3相試験では副次的評価項目として、ウェット型加齢黄斑変性の原因となっている脈絡膜新生血管に対する効果についても調べている。新生血管の抑制効果において良好な結果が出れば、ウェット型への適応の可能性も出てくることになり、市場価値はさらに上昇することが予想される。

加齢黄斑変性治療薬の市場規模は現在、ウェット型のみで年間6,500百万ドル以上の市場※となっており、2020年には13,000百万ドルを超えると予測されている成長市場となっている。患者数としてウェット型と同規模となる地図状萎縮を伴うドライ型治療薬として「エミクススタト」が上市されれば、同規模の売上水準が見込めるだけでなく、ウェット型での併用、並びに軽度の加齢黄斑変性患者向けにも対象が広がる可能性があり、将来的に10,000百万ドルを超え、眼疾患治療薬の中で最大規模の医薬品に成長することも考えられる。

※Visiongain,Macular Degeneration (AMD) and Other Retical Diseases: World Drug Industry and Market 2015 - 2025, p31

(4)販売パートナー契約について

ドライ型加齢黄斑変性治療薬の販売パートナー契約に関しては、現在、大塚製薬と契約している。北米地域では共同販売し、アジア太平洋、中東及び北アフリカの一部は大塚製薬に販売権を供与している。欧州、南米、及びアフリカにおける大半の地域は同社が販売権を持っており、今後同エリアにて順次、販売パートナー契約を進めていく方針となっている。このうち欧州地域については臨床第2b/3相試験のデータ結果をもって、販売戦略を決定する方針だ。結果が良好であれば自社単独での販売も視野に入れている。眼科領域は専門薬となるため、販売先が決まっていること、また、薬効の高さが臨床試験で証明されれば、多額のプロモーション費用をかけずとも販売は拡大していくと見ているためだ。とはいえ、既に複数の大手製薬企業から引き合いが来ているのも事実で、臨床試験のデータ結果を見て判断していくことになる。仮に販売契約を結ぶとなれば、契約締結時期は早くても2017年に入ってからになると弊社では見ている。

(5)その他のパイプラインについて

その他のパイプラインについても開発が進んでいる。2016年は「エミクススタト」について、糖尿病網膜症を適応疾患とした臨床第2相試験を開始する予定となっている。糖尿病網膜症は、糖尿病の3大合併症のひとつであり、日本では中高年の失明原因の第2位となる。慢性的な高血糖により網膜内で発生する血管障害に起因し、血液の流れが悪くなり低酸素状態になった網膜では、眼底出血や異常な血管新生を起こす。血管新生は、糖尿病性眼疾患の最も進行した段階の病態に見られ、生涯的な視力喪失につながるという。糖尿病網膜症罹患者数は世界で1億500万人※1とされており、これは糖尿病有病者数4億1,500万人※2の25%以上に相当する。糖尿病網膜症罹患者人口は世界中で増え続けており、2020年には約1億1,700万人に上ると報告されている。患者数の規模が大きいため、潜在的な売上ポテンシャルは大きいと言える。また、糖尿病黄斑浮腫や、希少疾患であるスターガード病※3に関しても、臨床試験を検討している段階にある。

※1 Market Scope, 2014 Report on the Retinal Pharma & Biotech Market, p74
※2国際糖尿病連合(IDF) 「糖尿病アトラス 第7版 2015
※3眼球内部の網膜にある黄斑部が先天性・遺伝性に起因して変性を起こし、視力低下・失明に至る病気

大塚製薬が緑内障を適応疾患として開発し、同社と共同開発契約を結んでいる「OPA-6566」については現在、開発戦略を再検討しており、今後、最適な開発方針を決定していくとしている。そのほかにも、同社は今後、眼疾患領域において新たなパイプラインを発表する予定となっている。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)

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