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【注目トピックス 経済総合】【フィスコ・コラム】ドル100円割れシナリオ

2016年5月15日 12:02

安倍内閣による必死の「口先介入」で円高は人為的に食い止められ、ドル・円は一段安を免れています。足元は、円高を見込んでいた投資家によるドルの買戻しで下値の堅い展開が続いていますが、どう見ても円高要因しかなく、放っておけばドル100円割れは時間の問題のように思えます。今後はどういうシナリオで円高が進んでいくのでしょうか。

まず、今月26-27日に開催される伊勢志摩サミットでは、主催国の日本が金融政策だけでなく財政出動によって世界経済をけん引していこうと訴えかけることで、政策協調が期待されています。実現できれば成長への大きな原動力になるでしょう。しかし、そもそも国・地方の公的債務が1000兆円を超える日本が財政出動して経済成長を提案すること自体、ブラックジョークのようで説得力がありません。英国やドイツなど財政規律に厳しい国から合意を取り付けるのは難しく、政策協調を打ち出せない場合にはリスクオフの円買い材料になります。

次に、6月14-15日(日本時間15-16日)開催の米連邦公開市場委員会(FOMC)が大きなヤマ場となるでしょう。最大の焦点は同23日の英国の欧州連合(EU)離脱の是非を問う国民投票ですが、その結果を見極めようと連邦準備制度理事会(FRB)は金融政策を維持する公算です。FOMC後の声明文から年内2回の利上げという市場コンセンサスを後押しできなければ、ドル売り・円買いに振れるでしょう。FOMCとほぼ同じタイミングで開かれる15-16日の日銀金融政策決定会合は、日銀の政策決定が今年に入って円高を加速させる「鬼門」のイベントとなっていることを考慮すると警戒が必要です。

その後、英国の国民投票に近づくとリスク回避的な動きは広がり、ユーロやポンドを売って円が買われやすくなります。これはドル・円の押し下げ要因になり、弾みがつけば100円を割り込まないとも限りません。英国の国民投票については、直近の世論調査でEU離脱支持と残留支持は拮抗しながらも、最近では残留支持の方がやや上回る傾向が鮮明になってきました。5月5日に行われたロンドン市長選をはじめとする統一地方選では、EU離脱を掲げたイギリス独立党(UKIP)が健闘しましたが、それをもって離脱の懸念がより強まったとまでは言い切れません。どちらかといえば保守的な英国の国民性を考慮すると、残留予想の方が現実的に思えます。

残留決定の場合、リスク回避で売られたポンドやユーロは、一転して買戻しが強まるでしょう。しかし、ドル・円はFOMCで利上げが見送られたばかりで、多少の円売りに振れたとしても大きく切り返す展開は考えられません。米利上げ観測後退を好感した日米の株高によって下支えされるのが精一杯で、株価が失速すればそれに連動してドル・円は一段安となるかもしれません。

「ブリグジット」が終わっても安心してはいられません。7月に入ると、米大統領選本選に向け、各党は候補者を一本化します。最新の支持率調査によると、共和党の指名候補にほぼ決まったドナルド・トランプ氏は、現時点では民主党の最有力候補と目されるヒラリー・クリントン氏に拮抗しているようです。ある外為ディーラーは「経済政策などの次元の話ではなく、米国がどのように進むのか全く予測がつかなくなる」との理由で、7月18日開催の共和党大会でトランプ氏が指名候補に正式決定すれば大きなドル売り要因と指摘しています。

恐怖は去ったと思っていたらさらに大きな恐怖が襲ってくるサスペンス物のハリウッド映画のような展開に対し、日本の通貨当局は実弾投入なしで大団円を迎えることができるでしょうか。

(吉池 威)

<MT>

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