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「アワビ」がトコブシだった時代も… 回転寿司の“モドキネタ”が姿を消した背景

アワビの寿司にアワビが使われなかった時代も(イメージ)

アワビの寿司にアワビが使われなかった時代も(イメージ)

 休日ともなれば2時間待ちもザラのかいてんずし店。長引く不況の中でも全体の売り上げが伸びている珍しいジャンルで、「最強の外食産業」ともいわれる。そんな回転ずし店の栄枯盛衰にも、長い歴史がある。外食業界紙記者が解説する。

「1958年、大阪で開店した『廻る元禄寿司』が草分けとされます。立ち食い寿司店を営んでいた店主が効率化を狙い、工場のベルトコンベヤーをヒントに思いつき、特許出願が認められたため、その後は同社の独壇場で全国に広がっていった。

 しかし、1978年に特許切れすると、雨後の筍のようにさまざまな業者が参入し、一気に“回転ずし戦国時代”に突入しました」

 当時参入した企業の中には、現在の「かっぱ寿司」や「くら寿司」、「あきんどスシロー」など、今でも人気のチェーン店もあった。外食業界紙記者が語る。

「元禄寿司の功績は、寿司を回転させたことだけではありません。既存の寿司店は、お勘定するまで値段がわからない『時価』が多く、尻込みする客も多かった。ところが回転ずしは低料金かつ、値段をはっきり明記する“明朗会計”。誰でも入りやすい寿司店を実現したんです」

 業界の過当競争も、し烈を極めた。『回転寿司「激安」のウラ』(宝島社)の著者で、ジャーナリストの吾妻博勝さんが言う。

「2000年前後、個人経営の回転ずし店なども含め、価格競争が始まりました。値段を下げる策として、こぞって代用魚を使用した。

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