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【注目トピックス 日本株】北の達人 Research Memo(4):主力商品群が順調に拡大し増収、組織強化等への追加投資で減益

2016年5月20日 15:32

■決算動向

(1)過去の業績推移

北の達人コーポレーション<2930>の過去の業績を振り返ると、会員数の拡大に伴って業績が伸びているが、特に2013年2月期からの業績の伸びが大きい。これは、それまで「カイテキオリゴ」への業績依存度が高かったところから、新たな収益の柱となった「みんなの肌潤糖」シリーズの業績貢献が始まったことに起因する。さらに、2015年2月期以降は、「二十年ほいっぷ」による業績貢献も上乗せされている。したがって、ここ数年は「カイテキオリゴ」の依存度を引き下げながら、新たな収益柱の伸長により同社の業績が大きく拡大してきたと言える。

また、利益面も、広告宣伝費の効果的な投入により、売上高の拡大に伴って営業利益率も20%を超える高い水準に上昇してきた。ただ、2016年2月期は、将来を見据えた先行投資等により一旦低下する格好となっている。

一方、財務基盤の安定性を示す自己資本比率も、将来の成長のための先行投資に備えて有利子負債を増やしたことから2013年2月期に50%まで低下したものの、公募増資や内部留保の積み上げによって2016 年2 月期は86.5%の高い水準となっている。また、資本効率を示すROE(自己資本当期純利益率)についても、2016年2月期には子会社の減損処理等により一旦低下する格好となったが、高い収益力に支えられて高水準で推移しており、同社の財務内容は極めて優良と評価することができる。

キャッシュフローの状況も、大きな設備投資を必要としない事業特性から、投資キャッシュフローは潤沢な営業キャッシュフローの範囲内に収まり、現預金の残高は大きく積み上がってきた。ただ、2016年2月期は、広告宣伝費の投入や将来を見据えた先行投資に加えて、売上高の拡大に伴う商品在庫の積み増しから営業キャッシュフローは減少したが、一過性のものとして捉えるのが妥当と考えられる。今後は、強固な財務基盤を今後の成長に向けていかに活かしていくのかが課題となってくるだろう。

(2)2016年2月期決算の概要

2016年2月期の業績は、売上高が前期比14.5%増の2,222百万円、営業利益が同13.5%減の397百万円、経常利益が同11.9%減の393百万円、当期純利益が同15.6%減の226百万円と2ケタの増収ながら減益となった。期初会社予想に対しても、売上高はほぼ計画どおりで推移したものの、将来を見据えた組織強化への先行投資等により想定を下回る減益となった。

売上高は、主力商品群の「カイテキオリゴ」、「みんなの肌潤糖」シリーズ、「二十年ほいっぷ」がそれぞれ順調に拡大している。2014年11月に公募増資によって調達した資金を広告宣伝費へ戦略的に投入したことで新規会員獲得(及びリピート化)に成功したことや各種キャンペーン施策が奏功したようだ。特に、「二十年ほいっぷ」が旺盛な国内需要に加えて、海外からのネット注文やインバウンド需要(訪日外国人によるドラッグストア等への指名買い)の拡大によって増収に大きく寄与した。

一方、利益面では、戦略的な広告宣伝費(約407百万円)の投入に加えて、将来を見据えた組織強化(人件費や外注費等の運営費)等に追加的な投資(約138百万円)を行ったことが減益を招き、売上高営業利益率も17.9%(前期は23.7%)に低下した。もっとも、広告宣伝費の増加は想定内とみられ、売上総利益から新規集客費(広告宣伝費等)を差し引いた利益指標※1では前期比でプラスとなっていることから、売上高の伸びで十分に吸収できていると言える。よって、減益となった理由は、組織強化等への追加的な投資によるものとして捉えるのが妥当であろう。また、100%出資子会社(非連結子会社)である(株)オーダーコスメジャパンについては、当初事業計画とのかい離が生じたことから同社株式の減損処理を行い、特別損失として約46百万円※2を計上した。

※1同社では「販売利益」と定義して重視している。
※2関係会社株式評価損の10百万円と貸倒引当金繰入額の約36百万円。

財務面では、現預金が若干減少したことなどにより総資産が1,536百万円(前期末比4.8%減)に縮小した一方、自己資本は内部留保の積み上げにより1,329百万円(前期末比11.7%増)に増加したことから自己資本比率は86.5%(前期は73.8%)に上昇した。また、流動比率も702.2%と極めて高い水準である。その一方で、資本効率を示すROEも子会社の減損処理等の影響で18.0%(前期は27.9%)に一旦低下する格好になったが、依然として高い水準を維持している。

主力商品群別の販売実績は以下のとおりである。

「カイテキオリゴ」は、売上高が前期比2.8%増の1,058百万円と着実な伸びとなり、若干の減収を見込んでいた期初予想を上回った。各種メディアで取り上げられ注目を集めている腸内フローラの改善という角度からの集客に成功した。ただ、他の主力商品群が大きく伸びていることから、本商品に対する業績依存度は47.6%(前期は53.1%)に低下した。

「みんなの肌潤糖」シリーズは、売上高が前期比10.8%増の658百万円と伸長した。特に、シリーズの1つである「みんなの肌潤糖クリア」において、子供のニキビトラブルに悩む母親世代を対象としたプロモーション活動が奏功し、これまで想定していなかった10代からのリピート注文を獲得できたことが大きかった。

「二十年ほいっぷ」は、売上高が前期比85.1%増の298百万円と大きく伸びた。旺盛な国内需要に加えて、インバウンドを含めた海外からの需要の拡大が業績の伸びを後押ししている。台湾の著名人を用いたプロモーション展開※1に成功したことに加えて、アジア観光客が多く立ち寄るエリア・店舗に限定※2したドラッグストア等向けの卸チャネル数を拡大し、取扱い店舗数が増加した(100店舗を超えた)ことが寄与した。引き続き多くの小売店、問屋から引き合いが増えており、今後も取扱い店舗は増える傾向にあるようだ。

※1商品紹介記事のSNS(Facebookや中国国内に向けたWeibo等)による拡散等。
※2同社は、原則として商品ブランドを維持する目的から店舗販売を行っていない。

また、新商品に関しては、1)「みんなの肌潤糖」シリーズから、うるおい密閉保湿ケア入浴剤「みんなの肌潤風呂」(4月21日リリース)、2)目の下のクマを改善するクリーム「アイキララ」(11月10日リリース)、3)育毛サプリメント「モサイン」(12月17日リリース)の3商品となった。特に「アイキララ」については、事前キャンペーンを効果的に実施したことが奏功して、発売初月売上高が過去最高額を記録するほどのヒット商品となった。前期決算への業績寄与は限定的(売上高は約17百万円と推定)とみられるが、現在も最速のペースで伸びており、主力商品群の一角を占める勢いとなっている。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田 郁夫)

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