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活況続く新興市場に冷水を浴びせる「アキュセラ・ショック」

2016年5月31日 16:00

米国に本拠を置くアキュセラ社のHP

米国に本拠を置くアキュセラ社のHP

東証マザーズ市場で株価急騰を続けてきたバイオベンチャー、アキュセラ(東証マザーズ・4589)株の突然の急落が、市場関係者の間で大きな波紋を呼んでいる。

高齢化に伴う失明の原因とされる加齢黄斑変性を治療する飲み薬を開発してきた同社の株価は「6月にも発表される臨床試験の結果(トップラインデータ)次第で大化けも期待できる」などとして、多くのアナリストの間で注目されていた。株価推移を見ても年初の800円台から右肩上がりの高騰が続き、5月25日には一時7700円台の上場来高値をつけたほどだった。

ところが、翌26日に急遽、予定を前倒しして、臨床試験で有効な結果が得られなかったと発表され、連日のストップ安で株価は急落。31日には2000円を割り込むなど底なしの様相を呈し、投資家の間では「アキュセラ・ショック」とも呼ばれている。

アキュセラに限らずバイオ関連株の多くは赤字企業で、将来への期待値から一気に株価が高騰する反面、治験の失敗があれば暴落するのは当然だ。そうしたハイリスク・ハイリターンの側面は、投資家も承知しているはずだ。しかし、今回の急落劇の裏には「インサイダー取引」の疑いがあるとの指摘も出ている。

同社が臨床試験の結果を発表したのは26日午前7時30分だが、同社株はその前日、25日の後場から急落していたのだ。発表半日前の急落はあまりにも不可解な値動きとして、すでに東証を傘下に持つ日本取引所グループがインサイダー取引の疑いで調査に着手したと報じられている。

市場関係者がその間の値動きについて、こんな見方をする。

「25日の後場の5分ごとの出来高や値動きを見ていくと、13時10分と15分に出来高は20万株前後に大きく膨らみ、500円以上も値を下げ、その後は一進一退を繰り返したが、再び13時50分には9万株、同55分には28万株以上まで出来高が膨らみ、株価は一気にストップ安となりました。

前場からのストップ高近くの水準からわずか1時間足らずでストップ安へと急落した際の出来高は120万株以上に上り、全部がそうとは言えないが、その多くは発表前に結果を知り得た関係者による取引ではないか、とも事実は分からないものの疑念を呼ぶところです」

5月30日にはアキュセラ株の第2位の大株主であるSBIホールディングスが、保有するアキュセラ株について発表前後に「売却を一切行っていない」とのコメントを発表するなど、その波紋は広がっている。

アキュセラ株に投資していた個人投資家は「治験の失敗自体は投資家として当然受け入れなければなりませんし、それに賭けて、負けたのなら仕方がありません」と言いながらも、憤りを隠せない。

「今回問題だと思うのは、6月に発表予定と再三再四聞かされてきた臨床結果の発表が予定より1週間も早い5月26日の早朝に突然、行なわれたことです。バイオベンチャーに投資する人間は、治験が成功せずに開発がストップすることが最大のリスクであることは百も承知。そのリスクが顕在化するのは6月と考えていたところに、何の前触れもなく発表したことは、あえていえば、投資家利益を著しく損なう行為とも思ってしまいます。

6月発表を前提に5月末までに治験失敗の目も出るリスクを考え、リスク調整をしてイベントを迎えようと考えていたのに、もはやそれもできない。出来高がほとんどないストップ安の連続で逃げ場のない状況に投資家を追い込んでおり、IRを含めた会社側の管理体制も問われるんじゃないでしょうか」

今年4月には東証マザーズ市場が9年3か月ぶりの高値を更新するなど、活況を呈してきた新興市場だが、5月の決算発表に伴い、相場を牽引してきたいくつかの企業の株価が急落する局面もあった。そこに加えて、今回の「アキュセラ・ショック」だ。もし市場の透明性が毀損されるようなことがあったと判明すれば、活況が続いた新興市場に一気に冷水が浴びせられ、市場全体がクラッシュしていく可能性すら視野に入ってくるだろう。

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