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現役大学生が危惧する「真面目な学生」が揶揄される風潮

大学生の学力低下の「本質的な問題」とは?(イメージ)

大学生の学力低下の「本質的な問題」とは?(イメージ)

 昨今、大学生の学力低下が問題視されることが少なくない。大学進学率が50%を超える現在、「学生の質が低下している」という指摘も数多いが、実際の大学生のあいだでは「本当に危惧すべきことは、別にあるのではないか」という声もある。現在、都内の有名私立大学で政治学を専攻する男子学生・Aさん(3年生)に話を聞いた。

──大学生の学力低下の本質的な問題をどう考えているか。

Aさん:僕の通う大学は早慶(早稲田大学、慶應大学)を第一志望にしていた学生や、小学校からエスカレーター式で上がってくる学生など様々です。学生として一番危惧しているのが「真面目に講義を受けている学生を馬鹿にする風潮」です。学生の学力低下よりも問題にすべきは「学ぶ姿勢を揶揄する同調圧力」ではないでしょうか。だから多くの学生が、勉強しなくてもいいという空気に流されてしまう。

──具体的にそういった経験があるのか?

Aさん:僕は大学の講義をすべて一番前の席で受講してきました。目が悪いからという理由もありますが、教授から色々なことを学びたいし、吸収したいという気持ちが強いからです。ノートもしっかり取りますし、講義中に寝たこともほとんどない。

 しかし、学生の中にはこうした真面目さを“痛い”と揶揄する風潮がある。300~500人クラスの大教室で受講しているとき、教授の問いかけに対して挙手をして発言をすることがあるのですが、必ず背後からクスクスと笑う声や、「あいつ、めっちゃ主張するやん(笑い)」という声が聞こえてきたこともあります。

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