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ラーメン店のチャーシューの持ち帰りができない理由

チャーシューだけ別売りは難しい?(イメージ)

チャーシューだけ別売りは難しい?(イメージ)

 新型コロナ流行のあおりを受けて、経済的に大きな打撃を受けた飲食店。テイクアウトやデリバリーに活路を求めた飲食店は多いが、調理や盛り付け、配達の工程で新型コロナの汚染リスクがあるばかりか、これからの季節、食中毒のリスクも危惧される。

 神奈川県在住の主婦・安岡さん(仮名、42才)は首をかしげる。

「近所の焼肉店がテイクアウトを始めたのですが、『おうちで焼肉セット』といって生肉を売っていて驚きました。前に『お肉だけ買えないんですか?』と聞いたら『規則でダメなんです』と言っていたのに…。コロナで何か変わったのでしょうか?」

 実は、食品衛生法により飲食業界の許認可はかなり細分化されていて、飲食店の営業許可だけでは店内で提供している食材や食べ物を、すべてテイクアウトに回していいわけではない。フードコンサルタントの永田雅乙さんが解説する。

「飲食店の営業許可では、ご飯とおかずがセットになっているお弁当のみ販売が許可されています。もしおつまみセットなど総菜のみを販売する場合は『そうざい製造業』の申請・許可が必要です。焼肉店も、生肉を売る場合には『食肉販売業』や『食肉製品製造業』の営業許可が要ります。ラーメン店が自家製チャーシューを別売りするのも、『食肉製品製造業』が必要なんです」

 監督する保健所にしても、いまは飲食業が大変な時期なので、実質目をつむっている状態だと永田さんは言う。

「衛生面の問題から、飲食店がそうざい製造業の許認可を取得するには厨房とは別に個室を設けるなどの制約があります。本来なら、店の構造ごと変えないといけない場合もあるのです。はたして最近テイクアウトデビューしたお店がどこまで徹底しているのか…」

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