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【注目トピックス 日本株】サンコーテクノ Research Memo(5):16/3期は減収減益、民間建築セクターのファスニング製品の需要は不変

2016年7月26日 16:03

■業績動向

(1) 2016年3月期決算

サンコーテクノ<3435>の2016年3月期決算は、売上高16,648百万円(前期比6.7%減)、営業利益1,338百万円(同11.4%減)、経常利益1,256百万円(同16.7%減)、親会社株主に帰属する当期純利益810百万円(同27.3%減)と減収減益で着地した。同社は第2四半期決算時に通期業績見通しを下方修正したが、実績は修正予想に対しても未達となった。

セグメント別では、主力のファスニング事業の売上高が前期比1,065百万円(7.8%)の減収となった。このうち、前期までの成長をけん引した太陽光発電関連売上高(材料販売と工事)が前期比約600百万円減収となったことが響いた。同社では、一般のあと施工アンカー製品の中にも最終的に太陽光発電装置の設置工事で使用されたものが多く含まれ、実質的な太陽光発電関連の減収インパクトは900百万円~1,000百万円程度に達したとしている。また、公共事業向け需要減少したことも減収につながった。この結果、セグメント営業利益も前期比10.8%減の1,731百万円にとどまった。

機能材事業の売上高は前期比122百万円(5.6%)減収の4,041百万円となった。電動油圧工具が、国内市場が端境期にあって需要減となったことと、FRP製品の減収が響いた。海外向け電動油圧工具や電子基板関連、アルコールチェッカーなどの機器類は堅調だったが、減収要因を吸収するには至らなかった。セグメント営業利益も前期比5.6%減の497百万円にとどまった。

弊社では、2016年3月期決算は、表面の数値ほどには深刻ではないと考えている。全社の減収額(1,187百万円)から太陽光発電関連売上高の実質的減収額(900百万円~1,000百万円)と機能材事業の減収額(122百万円)を引くと残りは約165百万円となる。公共分野からの需要の落ち込みなどがあったことを考えると、メイン市場である民間建築セクターからのファスニング製品への需要は前年からほとんど変化はなかったものと考えている。

今から振り返ると、同社が太陽光関連需要から受けていた恩恵は、同社がその当時に認識していた以上に大きかったということだ。また、電力買取価格引き下げや、認可を取得しながら未着工のプロジェクトに対する取消の可能性などが後押しする形で、2015年3月期に駆け込み需要のようなものが発生した可能性もある。

太陽光関連需要の高まりのなかで、同社は“ディー・アーススクリュー”などの新製品の開発・リリースを行うなどの実績も残すことができた。同社は今後、太陽光関連需要については、重要事業としての位置付けを外し、自然体で臨む方針だ。代わりに、ディー・アーススクリューを多目的に利用可能なようにモディファイした“マルチスクリュー”をローンチし、ディー・アーススクリューと合わせて、新規市場での拡大を図っていく方針だ。

太陽光関連需要はこのままゼロになってしまうわけではない。むしろ、同社にとっては追い風になる可能性すらあると弊社ではみている。その理由は、今後建設されるメガソーラー施設は、平坦地ではなく丘陵や山地の傾斜地になるケースが多くなると予想されるからだ。太陽光発電事業採算性が低下すると想定されることや、認可取得後、長期間棚上げにされていた案件が動き出すということが、それを示唆していると言える。斜面における太陽光パネルの設置工事は、平地における工事以上にきちんとした施工が必要になる。過去の風害で太陽光パネル工事に対する近隣住民や行政のチェックが厳しくなりつつあるのも、追い風と考える要因の1つだ。

同社はまた、価格について柔軟に対応するスタンスだ。ディー・アーススクリューは設置における性能は高いが、他の工法に比較して価格も高く、価格面で失注につながることも多かったもようだ。前述のように、斜面に設置する状況はコストに対してもより厳しくなるということであり、潜在需要を現実の受注につなげるべく、一定の価格対応をしていくものとみられる。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 浅川 裕之)

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