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遺産分割時に兄一家の「父と養子縁組」が判明、仰天事実を知った妹は「まさか…」

兄は「相続税節税のため」というが納得はいかず…(イラスト/河南好美)

兄は「相続税節税のため」というが納得はいかず…(イラスト/河南好美)

 親の相続を巡って、それまで仲の良かった家族間の絆が一瞬で崩れてしまうケースがある。特に、親と同居するきょうだいが勝手に有利な条件で財産を受け継げるようにしていたことが発覚すると、大トラブルに発展しやすい。『週刊ポストGOLD もめない相続』では、親の死後に一部の遺族が「まさか……」と驚愕した実例を、相続実務士の曽根惠子氏が紹介している。

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「父親が亡くなり、その妻と長男、長女の3人が相続人というご家族がいらっしゃいました。私は、長女の方から相談を受けたのですが、父親と同居していた長男家族が父と養子縁組をしていたことが判明したというのです」

 夢相続代表取締役で相続実務士の曽根惠子氏が語る。

 このケースでは、長男が勝手に自分の妻と2人の子供を父と養子縁組をしていた。その結果、相続人が3人から6人に増え、長女がもらえる遺産相続分が大幅に減ってしまったのだ。

 法定相続分で考えると「妻、長男、長女」の3人の場合は妻が2分の1、長男と長女が4分の1ずつという割合になるが、「妻、長男、長女、養子3人(長男の妻と子供2人)」が相続人となれば、妻が2分の1で残り5人は10分の1ずつとなる。長男一家4人の法定相続分は5分の2(10分の1×4人)に増える一方、長女は「4分の1→10分の1」と半分以下に減ってしまうのである。

 長男から「これで相続税が節税できるんだよ」と告げられたという長女。突然そんなことをいわれても当然、納得いかない話だが……。

「これは正当な手続きで、家族全体の相続税額という観点からは、たしかにメリットもあります」

 前出の曽根氏はそう指摘する。

「実子がいる場合は1人まで、実子がいなければ2人までと基礎控除の対象にできる人数は制限されますが、養子縁組で法定相続人が増えれば、全体の相続税は減ります。また、孫への相続は相続税が2割増しになるものの、贈与ではないかたちで早めに財産を渡せます」

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