中川淳一郎のビールと仕事がある幸せ

地方移住したけどマイカー所持を諦めた40代男性の「発想の転換」

乗った回数は1か月で6回だけだった(筆者)

乗った回数は1か月で6回だけだったという(筆者)

 高齢者が自動車の交通事故を起こすと「免許返納」が話題となり、それと同時に「でも、地方では車がなくてはどうしようもない」という反論もセットでやってくる。このように「地方は車が必須」という声はあるものの、「とりあえず地方で車は諦めた」と述べるのは11月に東京から佐賀県に引っ越したネットニュース編集者の中川淳一郎氏(47)だ。中川氏がこうした考えに至った経緯を開陳する。

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 私は先日、東京から佐賀県唐津市に移住しました。運転免許は持っていますが、これまで東京で運転する機会はほとんどない、典型的なペーパードライバーでした。電車や地下鉄網が発達している東京では、車がなくても困ることはありませんでしたが、地方移住した場合はやっぱり車があったほうが便利だろう、と思って、当初は中古の軽自動車を買おうかと思っていました。

 しかし、現在「とりあえず今は諦めるか……」という気持ちになっています。というのも、「お試し移住」の住宅に住んでいた11月、レンタカーも貸与されたのですが、前向きで停めていた自宅の駐車場からバックして外に出ようとした際、ハンドル操作が速すぎて敷地内の壁にこすり、バンパーを傷つけてしまったんですよ。

 もちろん保険には入っていたため、幸いなことに修理費の負担はありません。とはいえ、やっぱり自信は失いました。「あぁ、事前に東京でペーパードライバー講習を受けたものの、ペーパードライバー歴29年の自分がすぐに車を乗りこなすのは無理な話だったんだな。一旦自動車学校で研修を受けよう……」と思い、とりあえずは諦めました。レンタカーは「お試し移住」の終了数日前に返却しました。

 この話を知人にしたら、「いやいや、今はササーッとバックで駐車ができる人でも若い頃は大抵こすってますよ! 僕だって何度もやってます」とか「47歳にもなって初めてそういう体験をしたから、怖くなったんですよね。失敗ってのは若い内にやっておくもので、私も免許取りたての頃はこすったりしてましたよ。誰も怪我がなくて良かったよ」と慰めてもらいました。

 しかし、佐賀で街を歩いていると、老いも若きも男も女も平然と運転をし、スーパーの駐車場には躊躇なく、何度もハンドルの切り返しをすることもなくササーッとバックで停めていく。この様子を見て「なんで誰もができることをオレはできないのだ……」と敗北感に打ちひしがれ、これも諦める気持ちを加速させました。

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