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日経平均3万円は通過点? 猛スピード「異次元の相場」高値はどこまで

日経平均株価は異例のスピードで3万円の大台を突破(写真/時事通信フォト)

日経平均株価は異例のスピードで3万円の大台を突破(写真/時事通信フォト)

 日経平均株価が2月15日、ついに30年半ぶりとなる3万円の大台を突破した。コロナ禍の実体経済と乖離した「株高」に警戒感も強まっているが、はたして今後はどのように推移するのか。カブ知恵代表の藤井英敏氏が解説する。

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 日経平均株価の値動きを振り返ると、昨年3月の1万6000円台から1年足らずで、3万円の大台までほぼ右肩上がりの上昇が続いてきた。おそらく私も含めて、事前にここまでの上昇を予想していた人はいないのではないか。それほど想像を超える“マッハ”のスピードで上がってきた。もはや「異次元の相場」と言って良いだろう。

 背景にあるのはやはり、各国の中央銀行が新型コロナで打撃を受けた経済を下支えするため行った、“超絶”大規模な金融緩和だ。日本銀行は巨額の資金を株式市場に投入しており、この金融緩和によるカネ余りが株価を押し上げている。また、GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)などの公的金融機関も莫大な資金を投入し日本株を買い支えている。いわば「監督=政府、助監督=日銀」の構図であり、相場が下がればすぐに買い支えられる「官製相場」は当分下がらない状況だ。

 加えて、ワクチン接種の開始に伴うコロナ収束・景気回復期待や、今年3月期決算の企業の業績予想が相次いで上方修正されたことも大きな要因だろう。需給面を見ても、日経平均株価が2万4000円を超えた昨年11月頃から空売り比率が高水準で推移し、残高が積み上がっている。空売りは、株を最初に売ってから買い戻す取引で、株価が下がると利益を得られる。やがては買い戻さなければならないことから、将来的な大量の買い予約を意味するため、この先もそう簡単には下がらないと見られる。

 もはやこの株高トレンドは、仮にコロナの感染再拡大が起こったとしても揺るがないのではないかと思われる。この先よほど世界を揺るがす突発的な出来事が起こらない限り、大きな下げは考えにくい。目下のところ、株高に「死角なし」と言える状況ではないか。

 だとすれば、これまで想像を超えるスピードで上昇した株価は、今後も「異次元の相場」を続ける公算が高い。早ければ日経平均株価は、今年9月にも1989年末に付けた史上最高値の3万8915円を超えてくるかもしれない。にわかには信じ難いかもしれないが、上昇率で言えば、ここから3割も上がれば3万9000円に届く計算となる。これまでの上昇が予想外だったことを考えれば、「日経平均4万円」があってもおかしくない。

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