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米国との国交正常化で経済激変か? キューバの今を歩いた

アメリカ人観光客が押し寄せるのは時間の問題

 私たちの乗ったメキシコのLCC(格安航空会社)のインテルジェット機が常夏の国キューバの首都ハバナ国際空港に到着したのは、カンクーン空港離陸後1時間後である。空から島を見るとそれはトロピカルなカリブの他の島と同じように見えた。

 ハバナ国際空港の入国審査のブースにおいてあった写真撮影用のカメラが敵対国であった米国製であった事は、以前イランの首都テヘランを訪れた時に米国製のiPhoneがGPSを利用してペルシャ語で道の案内をしていた時の様に驚きと違和感を覚えた。

 特に何事もなく無事税関の外に出ると、そこは典型的な新興国の空港の風景である。家族や友人たちの帰国を待つ人たちでごった返していた。

 ハバナ市内に入ると街自体が歴史を感じさせる。なにか懐かしさを感じさせる街である。ハバナの街には1950年代の米国製のいわゆるアメ車が至る所を普通に走っている。まるでジョン・トラボルタとオリビア・ニュートンジョンが主役を演じた米国の1950年代を舞台にした映画『グリース』の世界だ。

 街を走る車は観光客向けであるものの、多くのキューバ人が日常の足として使っていると聞いた。外観はアメ車なのだが、内部のエンジン等は欧州製のものが入っているようだ。

 ノスタルジアを感じるのは車だけではない、ハバナの旧市街地の街並みを歩くとそこは1950年代に引き戻されたような錯覚を覚える。そんなハバナは南米で最も安全な街と言われている。実際夜中に歩いていても、他の南米の都市で覚える緊張感を感じない。とても明るいラテン系の都市だ。

 キューバは観光で外貨の獲得を狙っており、外国人の旅行者を多く見かけるが、その中にまだアメリカ人と出会う事はなかった。英語のネイティブスピーカーの外国人を見かけるとそれは英国人かカナダ人であった。だが、多くのアメリカ人観光客がこの小さな国に押し寄せるのも時間の問題である事は間違いない。

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