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遺骨をダイヤモンドに… 故人をそばに置いておく「手元供養」のニーズ高まる

遺骨をダイヤモンドに加工する方法も(写真提供/LONITE)

遺骨をダイヤモンドに加工する方法も(写真提供/LONITE)

 いま、お墓のかたちが多様化している。通常のお墓に比べて費用の負担も少ない樹木葬や納骨堂も人気となっている。もっとも樹木葬や納骨堂などは、従来のお墓とは形が違えど、「手を合わせる場所を作る」という共通項がある。一方で、そもそも遺骨をどこかに埋葬したり納めたりせずに手元に置いておく「手元供養」を選ぶ人もいる。

 近年注目を浴びているのが、遺骨をダイヤモンドに加工する方法だ。女優の冨士眞奈美(83才)もテレビ番組で自身の終活に触れ、伊豆にお墓があるものの娘から「お墓参りは遠いから遺骨はダイヤモンドにしてあげる」と言われたことを明かしている。そうした遺骨からダイヤモンドを作製するサービスを提供する企業の1つ「LONITE」の坂巻友一さんが言う。

「ご遺骨をダイヤモンドにして残すのは、ヨーロッパでは古くから伝わる供養の方式で、遺骨や遺灰に含まれる炭素の量を分析して、不純物を取り除いて結晶化させるのです。遺骨や遺灰を特殊な溶液や装置を用いて精製すると、炭素の純度が99.99%になります。その精製された炭素とダイヤモンドの種を天然ダイヤモンドの生成環境を再現する容器に入れて、極端な熱と圧力を加えることで、遺骨がダイヤモンドに生まれ変わるのです」

 同社ホームページによれば約30万円から作製が可能。依頼者の9割は女性で、ペンダントなどいつも身に着けられる形を選ぶ人が多い。

「墓じまいに際して、先祖代々の遺骨をすべて出して混ぜ、ダイヤモンドを作った例もありました。きょうだいで分骨した際に、“私はダイヤモンドを作る”といってオーダーされたケースもありました」(坂巻さん)

 親を亡くした独身女性が、「お墓をどうしよう」と悩んで骨壺を自宅に置いたまま1年がたち、ようやく遺骨ダイヤモンドによる手元供養にたどり着いたケースもあるそうだ。『0葬──あっさり死ぬ』(集英社)の著者で宗教学者の島田裕巳さんは、こうした方法は今後さらに増えると予測する。

「納骨堂も面倒だと考え、火葬場で遺骨を引き取らずに手放す“0葬”という方法をとる人も増えています。地域によっては引き取ってもらえないケースもありますが、関西では実施しているところが多い。何も残らないのはさびしいと、お墓を購入する代わりに少量の遺骨を持ち帰り、散骨したり手元に残したりする方法が選択肢の1つとして、スタンダードになるでしょう」

※女性セブン2021年5月20・27日号

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