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【注目トピックス 日本株】トラストテック Research Memo(3):ここ数年は200人以上の新卒採用を行いつつ、高い稼動率を維持

2016年8月31日 16:18

■事業セグメント別の詳細動向

(1)技術系領域

a)業務の概要
“技術系領域”は従来の“技術者派遣・請負・委託事業”から名称変更したものだ。すなわち、顧客企業の研究開発、設計、生産技術などの技術分野に対する、派遣・請負・委託の事業を行っている。実際の業務内容は技術者の派遣と、開発・設計等の受託の2種類に大別されるが、2016年6月期ベースでは、セグメント売上高21,903百万円に対して、約16,000百万円が技術者派遣、約6,000百万円が受託という構成となっている。受託の場合であっても、トラスト・テック<2154>の技術者が顧客の施設において業務を行うことが基本であり、同社の自社施設において受託開発を行うようなケースは極めてまれだ。

1)事業の収益性
技術者派遣・受託は、後述する製造スタッフの派遣や製造請負と比較して、“技術者”という付加価値があるため単価が高い。これが両セグメント間の利益率の差につながっている。また、派遣と受託で採算性を比較した場合、本来的には受託が高くなるはずだ。しかしながら現実には工数見積もりや納期など、当初の予算と比べてずれが生じやすく、結果的には派遣のほうが受託よりも採算性が高い状況もごく普通に見られるという状況だ。

2)人材獲得策
この事業の成長のカギは、優秀な技術者をいかに多く確保するかにあることは、議論の余地はない。とりわけ、現在のようなタイトな労働需給下にあっては、派遣先を見つけること以上に技術者を確保することが先決という状況だ。同社はかねてより、即戦力社員が得られるキャリア採用(いわゆる中途採用)を通じた人材獲得に注力してきた。しかし2年ほど前からは新卒採用も積極化させ、2015年4月に約260人、2016年4月に約200人と、ここ数年は200人~300人規模の新卒採用を行っている(数値はトラスト・テック本体のみ)。

キャリア採用では、現状、月間当たり1,000人前後の応募に対して80人~90人程度のペースで採用を続けている。同社を始めとして人材派遣業界がキャリア採用で人材が獲得できるようになっている背景には、派遣技術者自身のジョブ・モビリティ(流動性)が高いという状況がある。派遣技術者は、身分上は同社のような人材派遣企業(派遣元)の社員であるが、実際に勤務するのは顧客企業だ。そうした顧客企業やそこでの労働環境、待遇など、派遣技術者が転職する動機は多種多様で、それが業界全体での活発なキャリア採用につながっている。

b)足元の動向
技術系領域では2016年6月末現在、3,362名の技術社員を抱えている。採用した技術者を自社内に確保するべく、派遣先の多様化や配属先変更希望に対する柔軟性を高めるなどの工夫をしている。そうした努力と積極的な人員獲得策、及びM&Aなどの施策が奏功し、技術社員数は右肩上がりで着実に増加してきている。

社員数と並ぶ一般的な人材派遣会社の重要な指標として稼働率がある。これは派遣対象の技術社員のうち、現実に派遣・受託業務に従事している社員の割合だ。ここ数年は95%~97%前後の高い水準が続いている。この数値は同社の技術者派遣・受託事業が実質フル稼働の状態にあることを示している。稼働率の高さは、派遣単価の交渉においても、派遣単価の上昇という形で同社の業績押し上げに貢献している。

同社の技術者派遣・受託先顧客数は、事業所ベースで600を超えている。その業種は多岐にわたるが、現状、ニーズが強いのは輸送用機器や半導体及び半導体製造装置メーカーなどの業種となっている。

当面の技術系領域セグメントの成長戦略として、1)人材獲得と派遣先企業への営業の全国展開、2)連結子会社のフリーダムとのシナジー追求、3)事業効率の改善、などが掲げられている。同社は2016年10月に現連結子会社のトラィアルを本体に吸収合併するが、これは事業効率追求の一環だ。また、技術者派遣は派遣単価が高いため、社員のロジスティクス面での費用削減以上に、派遣者数を増やして売上高の増大を図るほうが収益拡大に結び付くという特徴がある。それが事業の全国展開策へとつながっている。M&Aについても業容拡大に貢献が期待できる案件は積極的に取り込む方針だ。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 浅川 裕之)

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