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私たち「帰宅部」でしたが何か? 「部活に入って当然」の空気との闘い

「帰宅部」ならではの自由と苦悩とは?(イメージ)

「帰宅部」ならではの自由と苦悩とは?(イメージ)

 中学・高校時代に多くの人が経験したであろう部活動。スポーツ系から文化系まで、さまざまな部活があり、各個人の興味や関心に応じて入部するものだが、部活動が強制ではない場合はどこにも所属しない無所属、通称「帰宅部」という選択肢もある。だが、帰宅部はマイナスのイメージを持たれがちで、当事者たちには帰宅部ならではの苦悩もあるようだ。かつて帰宅部だった人たちの声から、その実態に迫った。

「帰宅部は内申書に響く」と言われて…

「中学、高校ともに帰宅部。ちなみに大学もサークルには未加入でした。もはや無所属の“エース”です(笑い)」

 そうおどけてみせるのは、現在メーカーで働く30代女性・Aさんだ。小学生時代は強制的に部活に参加させられたが、中学時代以降は帰宅部という道を歩んできた。

「小学校時代は4年から6年生までの3年間バスケ部だったんですよ。中学に入ると身長が170cmを超えていて、『何で女子バスケ部に入らないの? もったいない』とよく言われました。小学校の時の強制参加で嫌気が刺していたので、強制じゃないなら入らなくていいや、というだけだったんですけどね」(Aさん)

 そんなAさんだが、中学時代に高校受験の判断資料となる「内申書」で、“帰宅部の壁”に突き当たることになった。

「進路相談時に担任教師は『帰宅部だと高校からの印象が悪い』と言われました。結局、私だけでなく帰宅部のメンバーは、『ボランティア部』所属という形になり、実際に、ボランティア活動をする羽目になりました。当時、部活に入っていないとそんなに問題児扱いされるのか……と不思議でした。確かに、他人と一緒に何かをやるっていうのは大事だと学びましたが、今思うと受験のために部活に入るってどうなのかなって思います」(Aさん)

 無事に高校に入学できたAさん。高校時代は、内申書や成績が重視される“推薦”で大学に行く気はなかったので、再び帰宅部を選択し、アルバイトに明け暮れた。Aさんは、「高校でもバスケ部に入らないかと誘われたり、バイト先でも『背大きいね。バスケとかバレーでもやってるの?』と聞かれることはしょっちゅう。背が高い人がみんなバスケやバレーをやりたいわけではないんですけど」と笑う。

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