田代尚機のチャイナ・リサーチ

中国本土市場がマクロ統計に反応しないのはなぜか?

 本土市場は零細個人投資家の売買ウエートが高いといわれている。それを推計できるきちんとした統計はないものの、業界では大まかに売買代金の8割以上が個人投資家であるとみられている。機関投資家のウエートが香港や東京と比べ圧倒的に低いわけだが、だからと言って彼らの相場への影響が小さいわけではない。

 基本的に零細個人投資家は烏合の衆である。上がるから買い、下がるから売る、あるいは塩漬けにするといった行動パターンが多い。

 しかし、投資成績の良い一部の個人投資家は、主力(あるいは庄家)と言われる資金量の十分大きな投資家(私募基金の運用者あるいは機関投資家など)の動向に注目する。

 全体を通してみれば、機関投資家たちの投資行動が相場全体の方向性を決める形となる。

 彼らの投資スタンスは、長期投資もないとは言えないが、やはり数週間から数か月の中期投資が中心である。マクロ重視<ミクロ重視<テクニカル、需給(金融政策を含む)、政策重視である。一部の個人投資家もそれにならうことになり、値動きは国際情勢よりも、国内情勢、特に当局の市場管理姿勢によって、より敏感に動くことになる。

 こうして特徴を整理してみると、本土市場の特性は東京市場とずいぶん違うように思えるが、しかし、バブル前の日本市場と似ているところもある。

関連キーワード

注目TOPIC

当サイトに記載されている内容はあくまでも投資の参考にしていただくためのものであり、実際の投資にあたっては読者ご自身の判断と責任において行って下さいますよう、お願い致します。 当サイトの掲載情報は細心の注意を払っておりますが、記載される全ての情報の正確性を保証するものではありません。万が一、トラブル等の損失が被っても損害等の保証は一切行っておりませんので、予めご了承下さい。