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【注目トピックス 日本株】テラ Research Memo(6):通期業績見通しでは損失額は縮小する見通し

2016年9月21日 17:06

■今後の見通し

(1) 2016年12月期見通し

テラ<2191>の2016年12月期の連結業績は、売上高が前期比3.1%減の1,850百万円、営業損失が450百万円(前期は601百万円の損失)、経常損失が470百万円(同623百万円の損失)、親会社株主に帰属する当期純損失が550百万円(同990百万円の損失)と期初計画から下方修正した。細胞医療事業における症例数が第3四半期からも伸び悩むと予想されるほか、医薬品事業において臨床試験の開始に向けた開発費用が増加することが要因だ。ただ、前期比では下期もグループ全体でコスト削減に取り組むほか、9月以降はテラ少額短期保険が子会社から外れることもあって損失額は縮小する見通しとなっている。

(2)今後の取組みについて

同社は今後の経営方針として、以下の2点を重要課題として挙げている。

○再生医療等製品としての樹状細胞ワクチンの承認取得
業績を成長ステージに移行していくためには、現在医薬品化を目指している樹状細胞ワクチンの製造販売承認を取得できるかどうかがポイントとなる。現状は保険適用外で治療費が高いことに加えて、競合する医療機関が増加したことで症例数が伸び悩み、業績低迷の要因となっているが、医薬品として承認取得が得られれば、患者の費用負担が軽減されるだけでなく、競合先との大きな差別化要因にもなるためだ。

同社では膵臓がんを対象に、2016年内に臨床試験の申請届けを提出すべく、PMDA※と協議を行っている段階にある。膵臓がんは早期発見が難しく治療が困難なほか、がん診断後の生存率も低く、延命効果が期待できる樹状細胞ワクチンのニーズが最も高いと見られるためだ。国立がん研究センターによれば、国内において膵臓がんで亡くなる患者数は2020年には3.5万人を超えると予測されている。このうち、約1割程度の症例に同社の樹状細胞ワクチン療法が利用されたとすれば、年間で3,500件と前期症例数の3倍超の規模となり、業績に与えるインパクトも大きいと言える。

※独立行政法人医薬品医療機器総合機構の略称

同社では当初2015年内の申請届け提出を目指していたが、技術的課題(培養細胞の不安定性等)をクリアするための時間を要したことから、1年目標が先送りとなった経緯がある。現状はこうした技術的な課題は解消されており、詳細なプロトコル設定についての協議を行っている段階にある。同社では条件付き(早期)承認制度を活用した承認取得を目指しており、早ければ2020年頃に承認される可能性はある。また、同時並行してアライアンス交渉も複数の候補企業と継続して行っている。膵臓がんでの承認が取得できれば、その他のがん種にも段階的に適用領域を拡大していくことを視野に入れている。

○2016−17年度の連結営業利益、営業キャッシュフローの黒字化
同社では2016−17年度において連結営業利益及び営業キャッシュフローでの黒字化を経営目標として掲げており、そのための施策として研究開発費や広告宣伝費などの選別、及び固定費の削減を進めていくほか、症例数の増加に向けた取り組みに注力していく方針だ。症例数を拡大するための施策として、新規契約医療機関の獲得や先進医療申請のための支援、海外患者の受入拡大のための支援活動を行っていく。新規契約については、学会などに積極的に参加し専門医とのネットワーク構築を広げていくほか、医療施設向けの広告宣伝活動を強化していくことで獲得を進めていく方針となっている。また、ここ数年は韓国や中国など海外からの受入れ患者数も首都圏や福岡県などで増加傾向にあることから、複雑な書類手続き等の簡素化も含めて受入体制の整備を進めていく。

一方、開発面では競争力強化のため新規技術の検討・導入も進めている。2016年4月にはオンコセラピー・サイエンス<4564>と、がん細胞の遺伝子異常解析を基盤にした「ネオアンチゲン※樹状細胞ワクチン療法」の実用化に向けた共同開発を開始することを発表した。同療法は個々の患者が持つがん細胞の遺伝子異常に着目し、ネオアンチゲンを特定することで、より効果的な治療を可能とするオーダーメード型のワクチン療法となる。実用化にはまだしばらく時間がかかると見られるが、実現すれば治療効果が高まるだけにその動向が注目される。その他にも同社では新規がん抗原の実用化についても推進している。

※がん細胞独自の遺伝子変異に伴って新たに生まれた変異抗原のこと。 ネオアンチゲンは正常な細胞には発現せず、がん細胞だけにみられる。また、ネオアンチゲンは一人ひとりのがんで違っている。

利益体質の構築に向けて子会社の収益力強化にも取り組んでいる。今期は各社とも売上高が伸びているほか、コスト削減効果もあって、子会社で黒字化を達成できる見通しとなっている。バイオメディカ・ソリューションについては細胞培養関連装置の販売や保守サポート収入が伸びている。また、イメージングCRO事業を行うタイタンも受注件数が堅調に推移しているほか、オールジーンについても企業や研究所からの遺伝子解析受託サービスが伸びており、売上規模は小さいものの今後の利益貢献が見込まれる。

ただ、2017年度以降に臨床試験が開始されれば、開発費用の増加が見込まれるため、黒字化に向けては、現在交渉を進めているアライアンス先との販売契約を締結できるかどうかが重要なポイントになる。株価は2015年秋以降、業績の低迷や臨床試験の申請届けの提出が先送りされたことなどから1,000円以下の水準で低迷しているが、臨床試験の申請届け提出や販売契約の締結が実現すれば株式市場でも再評価される可能性があると弊社では見ている。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)

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