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【注目トピックス 日本株】オンコリスバイ Research Memo(7):OBP-601について2016年5月に米LBR社とオプション契約を締結

2016年9月26日 15:40

■開発パイプラインについて

(3)その他パイプライン

a) OBP-601
抗HIV治療薬として開発を進めているOBP-601について、オンコリスバイオファーマ<4588>は2016年5月に米LBR社とオプション契約を締結したと発表した。契約内容は、日本・韓国及び中国を除く全世界で独占的にOBP-601を利用する前提で、その価値を一定期間検討する権利を有するというもの。同契約に基づき、LBR社は第2b相臨床試験のデータを再分析しており、第2b相臨床試験でFDAから提示された課題※を解消し、第3相臨床試験に向けたFDAとの協議を開始していく予定となっている。次のステップに進む場合は、LBR社とのライセンス契約または戦略的提携契約等を締結することになり、第3相臨床試験に向けてLBR社を中心とした資金調達が行われる見通しだ。また、同時並行して販売パートナー先の探索も進めていくことになる。

※FDAから、アジア系の人種において脂肪が付き易いとの指摘を受けているが、複数の専門医からは許容範囲内であるとの意見もでており、データを再度洗い出して科学的な分析を行っていく予定。

抗HIV治療薬には、核酸系逆転写酵素阻害剤、非核酸系逆転写酵素阻害剤、プロテアーゼ阻害剤、インテグラーゼ阻害剤、侵入阻害剤と大きく5つに大別されており、これらの薬剤を合わせて毎日服用することで、HIVウイルスの増殖を抑制する治療法となる。センサブジンは核酸系逆転写酵素阻害剤となり、同じ機能を果たす治療薬としてはギリアド・サイエンシズ(米国)のテノホビルなど複数の薬が既に上市されており競争も激しくなっているが、薬効としてはテノホビルよりも良い結果が第2b相臨床試験からは得られていただけに、今後の動向が注目される。

なお、これとは別に徐放剤(注射投与)の開発も武庫川女子大学と共同研究で進めている。研究開始当初は動物実験で薬効が1週間程度であったが、現在は1ヶ月まで伸びており、3ヶ月程度までの薬効保持の可能性も見えてきた。まだ、1回の投与につき複数ヶ所に注射を打つ必要があるなど課題も多いが、長期間薬効が保持する徐放剤タイプの治療薬が開発できれば、毎日服用する必要がなくなるため市場開拓余地は大きいと言える。また、その他の阻害剤で徐放剤の開発を進めている製薬企業との提携が進む可能性もある。

b) OBP-801
OBP-801は分子標的抗がん剤で、幅広いがん種に対する治療効果が期待されている。2015年5月より、米国で他の治療法に抵抗性を示す進行性の固形がん患者を対象とした第1相臨床試験が開始されている。

また、2016年8月には新たな適応症の可能性を探索する目的で、京都府立医科大学と共同研究契約を締結した。具体的には、緑内障手術後の結膜組織の線維化(瘢痕形成)に対する抑制効果について検討することを目的としている。現在は、細胞増殖阻害薬であるマイトマイシンCを手術時に使用することが一般的だが、必ずしも十分な効果が得られておらず、より高い抑制効果のある薬剤が医療現場では求められている。

c) OBP-702、405
2015年8月に新たな腫瘍溶解ウイルスとしてOBP-702及びOBP-405を開発パイプラインに追加している。いずれもテロメライシンの遺伝子構造を一部改変したもので、OBP-702はがん化した細胞を自然死させるがん抑制遺伝子のp53を組み込むことによって、より有効性を高めた腫瘍溶解ウイルスとなる。また、OBP-405はテロメライシンのがん細胞への感染力をより高めた腫瘍溶解ウイルスで、幅広いがん種において強い抗がん活性が期待されている。現在はいずれも前臨床試験段階にある。

d) OBP-AI-004
2015年7月に鹿児島大学と共同研究契約を締結し、B型肝炎ウイルス(HBV)の治療薬創製に関する共同研究を開始している。B型肝炎の治療薬はあるものの、ウイルスの完全排除はできていないのが現状であり、新規メカニズムによる治療薬が強く求められている分野となる。同社は鹿児島大学と共同で候補化合物を探索するともに、さらに高活性の化合物を絞り込むことでB型肝炎治療薬の開発を進めていく。B型肝炎治療薬の市場規模は2021年には世界で4,200億円程度まで成長するとみられており、今後の開発動向が注目される。

e) Reck遺伝子を活性化させがん細胞を正常化する新規がん治療薬の共同研究
2016年6月に京都大学大学院医学研究科基礎医学系分子腫瘍学教室の野田教授の研究グループと共同研究契約を締結することを発表した。具体的には、野田教授の独自の評価システムを用いて、Reck遺伝子を活性化させ、がん細胞を正常化する化合物を探求する取り組みとなる。Reck遺伝子はがん細胞を正常化する働きを有する遺伝子で、既に複数のリード化合物を特定しており、今後はこれらの候補化合物から毒性の低い化合物に絞り、がん治療への応用につなげていくことになる。

(4)パイプラインと特許の状況

主要パイプラインであるテロメライシンの特許権は同社と関西TLO(株)が共同保有しており、海外では同社が単独で保有権を持っている。現在、日米欧を含む24ヶ国で特許を取得している。また、テロメスキャンについては同社が特許権を保有しており、日欧含む10ヶ国で特許を取得している。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)

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