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【注目トピックス 日本株】ダイキアクシス Research Memo(4):ストック型ビジネスの上水事業とメンテナンス事業を強化

2016年9月26日 16:54

■中期経営計画

(1)上水事業:高収益のストック型ビジネス

環境機器関連事業に属し、新規事業に位置付けられている上水事業は、主に病院、大型商業施設、福祉施設、スポーツジムなどに安全で安価な飲料水を安定的に提供するエスコサービスになる。供給する上水は、地下水を飲料化したもので、従来の上水料金よりも10~30%のコスト削減になる。利用方法は水道とまったく変わらず、使用量に応じて課金される。エスコの上水設備は、ダイキアクシス<4245>が所有する。顧客先の設備の稼働状況は、ITセンサーを駆使することで、同社の本社から1日24時間、365日モニタリングする遠隔自動監視システムを導入している。

エスコサービスの契約期間は、10年の長期になる。既存の顧客との契約が長期間にわたり継続して安定的な収益を生み、新規契約が収益を加算するストック(積上げ)型のビジネスモデルになる。各現場とも、供給開始初年度から黒字化する。供給設備の減価償却は、契約期間に応じて決められ、償却方法は定額法を用いている。契約期間内の年間償却負担は一定だが、2年目より営業費用が不要になるため、営業利益率が大幅に改善する。上水事業を本格的に開始してまだ6年であるが、償却期間が終了した10年目以降も契約が継続されれば、収益性は飛躍的に上がることになる。

2016年12月期2Q末のエスコサービスの累計契約は67件に達している。業態別ユーザーの内訳は、ライフライン確保を重視する病院が18件、次いで大型商業施設が12件、福祉施設が10件、スポーツジムが9件、食品加工工場が9件などとなる。全国でチェーン展開している大型商業施設やスポーツジムなどでの横展開を図る。地下水の飲料化は、工場排水の処理システムを手掛けている同社にとって技術的な困難さはないが、リスクを嫌う食品加工業への浸透が遅れていた。同分野でも新規開拓に成功したことから、同社エスコサービスの水質安全性に対する信用度が高まった。

2015年12月期の上水事業の売上高663百万円の内訳は、エスコが73.6%、買取が23.2%、メンテナンスが3.0%であった。2016年12月期は、15件の新規受注を計画しており、設備投資は256百万円を予算化している。国内では、累計100件、業界トップを目指している。海外での事業化も検討する。エスコ事業は、荏原製作所<6361>や栗田工業<6370>などの大手水処理機器メーカーが参入するには市場規模が小さい。一方、中小企業では資本力を含め企業体力に欠ける。現在のところ競争激化のおそれはない。

最近の展開としては、バイオろ過技術の導入があげられる。これは鉄・マンガン・アンモニアを多く含む原水でも薬品注入を行わずそれらを除去できるようにしたことで、従来飲料化が敬遠されていた地下水でもコストを抑え高度に処理することができる。透析を行う医療機関では純度が高く大量の水を必要とするため、日々の使用以外にも緊急用としての需要拡大も見込まれる。また、採用困難だった地域・施設などでの需要も期待される。

また、現在開発中の設備のユニット化は、上水事業の拡大を加速する原動力となりそうだ。同社は、他社に先駆けて、ユニット化に取り組んでいる。コストダウンと工期短縮により、(1)エスコビジネスの新規獲得の上限を引き上げる、(2)顧客層を広げる、(3)施工期間の短縮による施工能力拡大などのメリットが見込まれる。ユニット化は、現場作業を工場内製造が代替することで施工性を高める。パッケージ化された設備は、1件当たりの設備投資額が低下するため、同社のエスコビジネスの新規獲得の上限を現在の年15件から引き上げることができる。また、コスト面から従来の装置であれば病院の場合100床以上の規模が必要とされているものが、より小規模の病院でも導入メリットを享受できるようになる。老健施設やインバウンドの拡大により増加しているホテル建設等に対応した低コスト供給が可能になる。設置工事期間が短縮化でき、従来の人員数でより多くの設備の建設が可能になる。

○人口減少による水道料金の値上げ
2014年5月に民間研究機関の日本創成会議から出された「増田レポート」は、全国の自治体に大きな衝撃を与えた。同レポートでは、2010年から30年間で20~39歳の女性の人口が5割以上減少することを指標に、少子化の進行に伴う人口減少により存続が困難になると予想される「消滅可能性自治体」の固有名を発表した。全国約1,800市町村のうち、約半数の896の市町村がリストアップされ、都道府県別では青森・岩手・秋田・山形・島根の5県は8割以上の市町村が該当する。

増田レポートを踏まえ、2015年2月に新日本有限責任監査法人と水の安全保障戦略機構事務局が、「人口減少時代の水道料金はどうなるのか?全国推計並びに報告書」を公表した。水道経営の持続性確保に危機感を持ち、事業体に早急に抜本的対策を講じることを促すためである。同報告書では、2040年時点において各事業体が、赤字経営とならないために必要な水道料金の値上げ率と時期を記載している。人口減少と1人当たり使用料の減少、補助金ゼロ、水道施設の更新投資需要の増加による減価償却費及び支払利息の増加を前提とする。推計結果は、水道料金の値上げが必要とされる事業体数は1,221に上り、分析対象全体の98%に及んだ。このうち、604事業体においては、30%以上の料金改定が必要と推計している。飲水人口20万人未満の給水人口の少ない自治体ほど、料金改定率が高くなる傾向にある。地域別では、北海道及び東北地方が多い。

自治体による水道料金の改定は、同社の上水事業の需要を拡大する。水道料金の値上げは、下水料金の引き上げを伴うため、使用した上水を再利用して排出量を抑制する中水事業のニーズも高める。PFIなどの形を取る行政の民間委託は、上水事業だけでなく排水処理のコミュニティプラントでも期待される。同社が上水・中水・下水のフルラインアップを持つ強みが発揮される、事業環境となることが予想される。

(2)店舗管理のワンストップ・サービスによるメンテナンス事業

もう1つのストック型ビジネスはメンテナンス事業になる。DCMホールディングスのグループ企業向けに、全国ネットで実績を積み上げてきたことが信用を高めている。同社が提供するワンストップ・サービスは、コスト安だけでなく、窓口一本化の利便性、全国均質の品質、安心のコーポレート・ガバナンスなどのメリットがある。全国でチェーン展開している小売企業にとって、魅力的だ。それらの企業は、地域ごとに複数の業者へばらばらに発注している場合、地域ごとの品質のばらつきや複数業者との取引が煩雑となる問題がある。また、最近は、外注先の不祥事に神経質にならざるを得ない。同社は、東証1部上場企業として反社会勢力との取引排除などを含むコーポレート・ガバナンス体制を取っており、顧客企業が安心して業務委託することができる。目下、大手流通チェーンとの取引関係の強化を図っている。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 瀬川 健)

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