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【注目トピックス 日本株】シノケンG Research Memo(2):投資用の土地付き木造アパート販売のフロントランナー(1)

2016年10月3日 7:41

■シノケングループ<8909>の会社概要

(1)沿革

現代表取締役社長の篠原英明(しのはらひであき)氏が25歳だった1990年に(株)シノハラ建設システムを福岡市に設立。現在でも福岡市に本社を置く。土地を持たない一般的なサラリーマン層に土地付き木造アパートを販売するという旧来のアパート経営の常識を覆すビジネスモデルで事業を開始した。その後、順調に事業を拡大し、2001年には東京に進出。2002年にJASDAQ上場を果たした。

土地付きアパートの投資を検討するサラリーマン層は、投資用ワンルームマンションも検討対象になるため、顧客を取りこぼすことがないよう、2003年に東京の中堅投資用マンションディベロッパーの(株)日商ハーモニー(現(株)シノケンハーモニー)を約2.8億円で買収し、投資用マンションの開発、販売に乗り出した。日商ハーモニーは当時経営不振に陥っていたが、投資用不動産という同一カテゴリーであり、立て直しが可能と判断したという。2005年に(株)シノケンへ商号変更。同年11月に元一級建築士による耐震偽装事件が社会問題化した際、同社が手掛けたマンションにもこの元一級建築士が関わった物件があった。事件に巻き込まれた他社が補償に難色を示すなか、同社は該当7物件に関し総額30億円の補償を即断し、オーナーから物件を買戻した。このため2006年3月期は約6億円の最終赤字となったが、素早い対応、危機管理能力は、同社の信用をむしろ高める結果となり(返金を受けたオーナーの多くはその資金を元手に新たに同社の物件を購入したという)、翌期の業績はV字回復した。

2007年10月に(株)シノケングループへ商号変更。シノケングループを純粋持ち株会社とするホールディング制に移行した。リーマンショックを受けた金融機関の貸し渋りにより、不動産の流動性が低下し、2009年3月期に棚卸資産評価損などにより、41.4億円の最終赤字となり、財政内容が毀損した。決算期を12月に変更した2009年12月には小幅の赤字が残ったが、金融市場の落着きを受け2010年12月期に黒字化した。以降、6期連続増収増益と業績は急成長し、財務内容も回復してきた。この間、M&Aも活用し、介護関連事業、ゼネコン事業など周辺事業へ事業領域を拡大してきた。

(2)事業概要

7セグメントで構成されており、フロービジネスのa)アパート販売事業、b)マンション販売事業、c)ゼネコン事業と、その周辺事業でストックビジネスのd)不動産賃貸管理事業、e)金融・保証関連事業、f)介護関連事業、g)その他(LPガス供給販売事業など)に大別される。祖業であるアパート販売とマンション販売が収益の柱。アパート販売、マンション販売に連動し、ストックビジネスが着実に積み上がるビジネスモデルになっている。

a)アパート販売事業
同社のコア・コンピタンスと言える事業。担当する事業会社は(株)シノケンプロデュース及び(株)シノケンハーモニー。賃貸需要の高い5大都市圏(東京、福岡、名古屋、大阪、仙台)の市街地の駅から10分以内のアパート用地を同社で一旦取得し、木造アパートを建築した上で、土地・建物を併せて個人投資家等(サラリーマン、公務員を中心に医者、自営業、法人、台湾や香港の投資家等)に販売している。購入者の年収は、2015年12月期で年収1,000万円未満が66%であり、500万円未満も6%いる。自己資金は500万円未満が62%、300万円未満も44%。足元では日銀のマイナス金利導入を受けた金融機関の積極的な融資姿勢により自己資金300万円未満の比率がさらに高まっているようである。このように主に一般的な会社員・公務員に対し、創業以来、累計で3,000棟以上を販売してきた。

用地を取得した段階で投資家向けの営業を開始し、用地仕入れから引渡しまでの事業期間はおおむね6~8ヶ月と回転の早いビジネス。

現状のエリア別の販売価格等は、土地部分に関してはほぼ原価で販売し、アパート建築に関して利益を得ている。このためマンション販売事業に比べ売上高営業利益率は低いが、マンションよりも事業期間が短いため収益性が劣るわけではない。

1棟当たりおおむね7~8戸。一部空室が発生しても投資家は賃貸キャッシュフロー上、致命的な打撃を受けないため、原則、同社でサブリース(家賃保証)は行っていない。

b)マンション販売事業
担当する事業会社はシノケンハーモニー。東京圏(東京と一部、神奈川)を中心に一部、名古屋において投資用マンションを企画、開発し、個人投資家等に販売している。アパートに比べ単価が低く、借入金額が少なくて済む。購入者の心理的負担が小さい導入商品的位置付けである。

原則、住戸のタイプはワンルームで専有面積は20~30平方メートルだが、条例によるワンルームマンション規制(区によって様々な規制がある)により、一部、40~50平方メートル、あるいはそれ以上の広さの住戸をつくり込む必要がある。未婚化、晩婚化により単身世帯や夫婦のみの世帯が増加していることもあり、2013年1月に実需用マンション販売チームを新設し、こうした広めの住戸については投資用だけでなく実需用としても販売を開始した(販売戸数全体に占める実需は1割に満たない程度)。

2015年9月には東証JASDAQ上場企業のプロパスト<3236>と資本・業務提携し、DINKS向けの住戸部分の販売や用地仕入れ情報の相互紹介などで協業していく方針。なお、プロパストは、(株)小川建設を2014年2月に買収する際、小川建設の資本上位会社を買収する形を取ったが、当該会社が小川建設の株式の100%のほかに、プロパストの株式の15.4%を保有していたため、付随的にプロパストの株式を取得することになった。2015年9月の資本・業務提携により、プロパストの第三者割当増資約2億円を引受け、出資比率を19.5%に引上げ、プロパストを持分法適用関連会社とした。

2009年12月に福岡で投資用マンション事業を展開する(株)えんを持分法適用関連会社化し、福岡で開発した投資用マンションをえんに1棟卸を行っていた。その後、個人投資家向け販売により充分な販売先を確保できていることや、経営資源の選択と集中のために2015年3月に資本・業務提携を解消した。それ以降、福岡では開発を行っていない。

アパート販売事業と異なり、投資用マンションについては、原則、サブリースにより家賃保証をしている。投資用マンションは、1戸のみの購入だと入居者の入れ替わりにより空室が発生すると一時的にせよ家賃収入が完全になくなり、投資家にとって空室リスクが高いためである。サブリース賃料は2年ごとに見直しているため、同社に逆ざやリスクはない。

c)ゼネコン事業
2014年2月に買収し、完全子会社化した小川建設で事業展開している。小川建設は明治42年創業の建築系の中堅ゼネコン(土木は手掛けていない)。本社は新宿区で、関東圏を中心に、マンションを始め教育施設、病院、事務所などの建築請負を幅広く行っている。他の投資用マンションの開発業者からの受注もある。老舗で相応の技術力、知名度があったが、リーマンショックによる取引先の破綻による貸倒や銀行の貸し渋りを受け2009年1月に民事再生法適用申請に至っていた。

小川建設を買収した主目的は、マンション販売事業におけるマンション施工の内製化。東日本大震災以降、建設技能労働者不足が顕在化し、ゼネコンが受注を拒否するような事態も起きていたため、安定したマンション供給を行うためにグループ内にゼネコンを持ちたいと考えたもよう。ただし、コスト競争力を持たせるため、外部のゼネコンにも発注しており、内製化率は7割程度にとどめる方針。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 堀部 吉胤)

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