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【注目トピックス 経済総合】【休日に読む】一尾仁司の虎視眈々(2):◆投機筋の円高目線は変わっていない◆

2016年10月9日 16:12



〇英経済にポンド安効果、短観には円高の重石〇

ノーベル賞受賞は、この時期に日本人の気持ちをシャキッとさせる恒例行事となりつつある。基礎的な黙々・コツコツ研究が多く認められるのは好ましいことだ。「東大なら研究は広がらなかった」との大隅氏の言葉は印象的だが、賞などを求めるスタンドプレイを戒め、地道な研究、研究連携の重要性を訴えるものと受け止められる。市場は関連企業探しに動こうが、医薬品株や医療機器関連全般のカサ上げ効果を注目したい。業種横断的な医療機器関連の指標はないが、業種別医薬品株は前年比+1.21%(TOPIX全体-7.9%)、6ヵ月前比-0.99%(同+2.25%)、前月比+3.38%(同-0.75%)と、全体をやや上回る位置にあるが、最近はやや人気が落ちていた。上昇波動を強めるセクターとなれるか、ポイントの局面と考えられる。

全体相場は動きに乏しく膠着相場の感があるが、為替睨みが大きな要素であると考えられる。昨日発表の日銀短観は大企業製造業の景況感が横ばい、大企業非製造業が悪化、中堅・中小企業で先行き悲観論がやや強まった。円高を逆風と捉える向きが多く、ドル円100円攻防が続く、足元の状況から懸念視が多い。

日銀が新たに打ち出した「長短金利操作付き量的・質的金融緩和」が円高対策との認識が広がりつつある。4日付ロイターは「日銀、新たな枠組みで円急伸なら追加緩和辞さず」との解説記事を配信。「7月会合でのETF買い入れ額倍増で、多少の円高でも株価は下がり難くなった」とのコメントも載せ、日銀が円高対策にシフトしている印象を与える。ただ、投機筋の円高目線は変わっていない。日銀会合や米大統領選TV討論会を経た9月27日現在のIMM通貨先物建玉は円ロングが膨らんだ(6万8892枚、前週比1万107枚増)。主要通貨でロング・ポジションは円と豪ドル(1万5008枚)しかなく、ユーロ、英ポンド、メキシコペソなどショート・ポジションの多い通貨との組み合わせで買われている面があり、日本経済の事情だけで変われるものではないが、少なくとも一気の100円割れを防いでいると考えられる。また、(時期尚早だが)何処まで円安が戻れば良いかの目安も難しい。他の要素(例えば個人消費が持ち直すとか)との兼ね合いとなろうが、当面は105円前後への復帰が焦点となろう。

通貨安の効果を発揮したのが英経済。昨日のNY市場で英ポンドは一時1.2818ドル、7月上旬に付けた31年ぶり安値に接近(0.005ドル)した。メイ首相が離脱交渉を来年3月末までに開始すると表明したことで売り圧力が高まった。反面、3日発表の英製造業PMI(購買担当者景気指数)は55.4(前月53.4)と急上昇、14年6月以来の高水準となった。ポンド安効果の新規輸出受注が牽引している。また、ハモンド財務相は「混乱収束へ新たな財政計画が必要」と述べ、メイ政権で財政出動策を講じる可能性に言及した。同時に、50億ポンド規模の住宅建設促進策を発表している。景況悪化、追加利下げを待つポンド売り筋のシナリオは徐々にズレが生じてきている印象で、巻き戻し相場が起こる可能性は十分ある。為替攻防は内外バランス攻防になると考えられる。


以上



出所:一尾仁司のデイリーストラテジーマガジン「虎視眈々」(16/10/04号)


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