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【注目トピックス 日本株】3Dマトリック Research Memo(4):歯槽骨再建材については、18/4期に製造販売承認申請を行う予定

2016年10月24日 7:38

■スリー・ディー・マトリックス<7777>の業績動向

(3)その他の開発パイプラインの動向について

その他の開発パイプラインについては、当第1四半期中において大きな進捗は見られなかったため、以下に前回レポート内容をまとめた。

a)歯槽骨再建材(TDM-711)
米国での上市を目指している歯槽骨再建材に関しては、2016年4月期の第1四半期から開始した第2段階目の治験の登録症例数が2016年1月末時点で予定数(12例)に達し、現在は骨形成を確認するための経過観察期間に入っている。2017年4月頃に経過観察期間が完了し、結果が良好であれば2018年4月期に製造販売承認申請を行う予定となっている。また、同じタイミングで販売パートナー契約を締結する予定となっている。このため、2018年4月期の業績計画に550百万円程度の販売契約一時金を織り込んでいる。米国での上市時期としては2019年4月期以降を予定しているが、中期業績計画の中では織り込んでいない。なお、同治験データをもって欧州でもCEマーキングの取得申請を行う予定となっている。

b)粘膜隆起材(TDM-641)
外科的内視鏡手術で用いられる粘膜隆起材に関しては、2014年12月より国内で臨床試験を開始したが、有効性をより明確にするための試験方法や製材改良が必要との判断により、2015年2月に一時中断している。動物モデル(ブタ)では容易にポリープの切除が可能であったが、臨床試験では一定割合で切除しにくい症例が発生したことが理由となっている。原因が不明なことや止血材の開発にリソースを集中することもあり、当面は粘膜隆起材の開発に関して中断する方針だ。

c)創傷治癒材(TDM-511)
創傷治癒材に関しては、2015年2月に米国のFDAより市販前届(510k)の承認を取得し、販売の許認可を得ている。同社では他の薬剤とのコンビネーション(抗生物質、抗がん剤、ヒアルロン酸等との混合投与)による治療効果の増大により、製品としての付加価値向上が期待できることから、今後はコンビネーション材として開発を進めていくことを基本方針としている。このため、現在は「PuraMatrixTM」を医薬品メーカー等に供給し、協業の可能性を探っている段階にある。とはいえ、直近では米国子会社の人的リソースが限られることもあって、歯槽骨再建材や止血材の開発を優先的に進めている状況にあり、事業化に関しては数年先のこととなりそうだ。

d)血管塞栓材(TDM-631)
肝臓がんや子宮筋腫に対する肝動脈塞栓術や子宮動脈塞栓術での用途を目的とした血管塞栓材の開発を進めている。カテーテル手術において動脈内に塞栓物として同製品を注入し、外科的手術において出血のリスクを最小限に抑えるとともに、血管内を物理的に塞ぐことによって、肝臓がん等の腫瘍部位への血流(栄養)を絶ち、腫瘍を死滅させるといった効果が見込まれている。従来はコイルやゼラチンなどが同様の目的で使われてきたが、本開発品の需要が期待されている。現在は動物実験の段階にあるが、2018年4月期に国内での治験開始と販売契約締結を目標としており、販売契約一時金150百万円を見込んでいる。

e) siRNA核酸医薬用DDS(TDM-812)
国立がん研究センターとの共同プロジェクト「RPN2※標的核酸医薬によるトリプルネガティブ乳がん治療」における医師主導型の臨床第1相試験が2015年7月より開始されている。同治験では「がん幹細胞」に特異的に発現するPRN2遺伝子をターゲットとし、その発現を抑制する核酸(PRN2siRNA)と、同社の自己組織化ペプチドA6K(TDM-812)をキャリアとするDDSを組み合わせた製剤の安全性評価を行うもので、症例数は30症例を目標に、経過観察を含めて2017年夏頃までかけて臨床試験を行う予定となっている。

※PRN2…がんの転移・浸潤・薬剤耐性を担うターゲット遺伝子。siRNAは分解性が高いという特性があり、ターゲットのがん細胞に届くまでに体内で分解されるという課題があったが、A6Kとの複合体にすることで分解が抑制される効果があり、がん細胞に確実にPRN2siRNAが送り届けられることになる。既に、イヌの自然発症乳腺腫瘍症例において、核酸医薬としての有効性が確認されており、ここ最近は製薬企業からの問い合わせも増加するなど注目度が高まっている。

siRNA単独では安定性が低く腫瘍部に届くまでに分解されてしまうことが課題であったが、A6Kとの複合体にすることで安定性が高まり、分解が抑制されることが実験により明らかとなっている。動物モデル(イヌ)の実験では、乳がん腫瘍の縮小効果も確認されており、業界での注目度も高まっている。乳がんにおける核酸医薬での臨床試験は国内でも初の取り組みとなり、試験結果が良好であれば企業主導型治験への移行、及び大手製薬企業へのライセンスアウトの可能性も出てくる。また、乳がん以外の他のがん種にも応用が可能なため成長ポテンシャルも大きく、今後の動向が注目される。

なお、核酸医薬の関連では国立がん研究センターとの共同特許を、2016年以降に日米欧で取得している。2016年3月には日本でA6Kを用いた「がん幹細胞を含むまたはそれに由来するがんの治療としての適用」に関する特許を、同年4月には米国で「骨肉種への治療」の応用に関する特許を、同年5月には欧州で「がん幹細胞に関する治療薬と診断方法」に関する特許をそれぞれ取得した。こうしたことを受け、国内で核酸医薬を開発する製薬企業からA6Kに関する問い合わせも増えており、無償サンプル出荷も開始している。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)

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