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【注目トピックス 日本株】平山 Research Memo(4):コンサルティングによる現場改善力と人材育成力が強み

2016年11月4日 16:00

■市場環境、同社の強みと事業等のリスク

(1)同社の強み

平山<7781>の強みは、主力事業の製造請負において、作業部隊とコンサルティング部隊が連動・融合することによる製造現場の改善力と人材の教育力を有することを挙げることができる。これらを差別化要因として、医療機器・医薬品、輸送機器、住宅設備機器、食品関連製品等の国内に残る業種、分野、製品にフォーカスした顧客開拓戦略を遂行し、これらの顧客企業に対する構内請負の経験、ノウハウを蓄積してきた。

コンサルティングによる現場改善力は、日研トータルソーシング(株)(旧、日研総業(株))、日総工産(株)、UTグループ<2146>、アウトソーシング<2427>、日本マニュファクチャリングサービス<2162>など製造請負・派遣事業を展開する同業他社に対する大きな差別化要因となっている。さらに、現場改善コンサルティング・教育サービスを日系企業の海外工場へ提供できることも大きな特長となっている。

加えて、プロフェッショナルな人材としての自立促進、顧客企業の生産性の向上等、質の高いサービスを提供する同社独自の人材育成体制を構築しており、結果として高い定着率を実現していることも強みと言える。同社では、社内で育成した人材を社会へ還元する教育会社としての「人材輩出企業」を目指しており、契約社員、派遣社員として入社したスタッフにも、本当に自分がやりたいことを見出して自立できるよう、キャリア支援「ソロフライトプラン(キャリアアップ支援制度)」※1とメンタル支援「ココロケアサポート(メンタル支援制度)」※2という2つの従業員支援プログラム(Employee Assistance Program)制度を整えている。

※1契約社員・派遣社員として入社した社員を、最終的に自社または他社の正社員として輩出することを目的とした制度。個々にキャリアカウンセリングを行い、目標に沿った研修カリキュラムを設定し、働きながら正社員になるための教育が受けられる。
※2従業員のキャリア支援にはメンタル面のサポートも必要と考え、より充実したメンタルヘルスケアを実現するために、国家資格を取得しているカウンセラー(社内または社外機関からの選択が可能)が、中立の立場で各事業所や希望の面談場所に出向き、カウンセリング(訪問型相談支援)を行う。

(2)事業等のリスク

中長期的に成長を遂げるという観点からは、人材の確保及び定着率を向上できるかどうかが最大のリスクであると考えられる。加えて、取引先企業の生産変動の影響を受けること、特定顧客の依存度が高いこと、なども事業リスクと考えられる。

a)人材の確保と定着率の向上
主力事業の製造請負において、顧客企業及び自社運営の請負事業所が必要とする人材を採用、育成し必要な時に必要な人材を供給する必要がある。このため、同社ではものづくりに深く取り組む現場での社員確保のために必要な施策を行っているほか、採用過程において採用担当者へしっかりとした教育を行い良質な人材採用につなげ、さらには応募から採用、入社に至る過程での取りこぼしを減少させ、取引先及び同社グループが必要とする人材確保に努めている。しかし、これらの施策が同社の目論見どおりに機能せず、同社グループの求める人材の確保が計画どおりに進まない場合には、売上機会の損失や原価率の上昇、販売管理費の上昇により業績にマイナス影響が発生する可能性がある。

さらに、長期的な視点から新卒正社員を主軸とした無期雇用社員数の増加を請負化推進の基本戦略としているが、景気の後退局面では無期雇用維持のコストが業績に多大な影響を及ぼす可能性がある。

b)取引先企業の生産変動の影響
製造請負は取引先企業の意向に従って増産、減産といった生産変動に対応することでメーカー側のコスト構造をより変動費化する役割を担っている。同社の主力取引先は医療機器・医薬品等を扱う精密機器分野のメーカーで、全世界に製品を出荷している。このため、出荷先の景気動向が生産数量に大きな影響を及ぼすほか、為替変動、コストダウン要請等の課題も抱え、グローバルな視点での生産拠点最適化を常に模索しており、生産拠点自体の統廃合が戦略的、機動的に行われている。こうした取引先企業での大規模かつ急激な生産変動が生じた場合には業績に多大な影響を及ぼす可能性がある。

c)高い特定顧客の依存度
テルモの国内工場に対し製造請負、製造派遣を行っているが、2000年に複数社のコンペを経て請負工程を獲得して以来、同社への信頼性、コンサルティング能力が評価され、請負工場数・ライン数が増大している。テルモに対する売上高ウエイトは他の既存顧客の取引拡大や新規顧客の開拓の成果により低下傾向にあるものの、2016年6月期において全体の41.3%を占め、依然として高水準となっている。同社とテルモの取引関係は良好で、安定した収益基盤であるものの、何らかの要因により取引関係に問題が生じた場合、あるいは同社の生産動向の変化や事業方針の変更等があった場合には、同社グループの業績に重要な影響を及ぼす可能性がある。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 森本 展正 )

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