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【注目トピックス 市況・概況】【フィスコ・コラム】トランプ勝利の要因は米メディアの姿勢?

2016年11月13日 18:59

米大統領選は大方の予想を裏切る結果となり、金融市場は今年6月の「ブリグジット」のような荒れ模様となりました。劣勢と伝えられた共和党候補のドナルド・トランプ氏が民主党候補のヒラリー・クリントン氏を破る予想外の結果をもたらせた要因は何だったのでしょうか。


11月8日の投票日直前に報じられた米国のテレビや新聞による世論調査では、クリントン氏のトランプ氏に対するリードはともに4ポイントとなっていました。連邦捜査局(FBI)による私用メール問題の訴追見送りが確定し、クリントン氏への支持はFBIが捜査再開に言及する前の水準まで回復した、とされていました。また、選挙人獲得数はクリントン氏の300人超に対しトランプ氏は230人あまりにとどまり、クリントン氏の勝率を90%とした調査もありました。


ところが結果は、こうした有力メディアの調査自体に大きな疑問を生ずるものでした。選挙後に「隠れトランプ支持者」の存在を把握できなかったなどの言い訳めいた理由付けがみられますが、米国の新聞でクリントン氏支持は50紙超、トランプ氏支持はわずか数紙にすぎなかったことを考えると、調査やその解釈が恣意的なものだったと見られても仕方ありません。


今回の大統領選で、米国の大手のテレビや新聞は予備選段階からクリントン氏を露骨なまでに後押ししていました。サンダース上院議員は民主党の指名候補争いに敗れたものの、一時はクリントン氏を上回る支持を集めていました。そのサンダース氏に対し、ニューヨークをベースとする有力紙の記者は会見で「初の女性大統領誕生を邪魔する気なのか」と質問しています。


また「クリントン・ニューズ・ネットワーク」と揶揄(やゆ)されたニュース専門のケーブルテレビ局は、主催した候補者討論会でクリントン氏側にだけ事前に質問を知らせていたことも最近判明しています。こうしたメディアの偏った対応は、例を挙げればきりがありません。


テレビは予備選段階では視聴率の稼げるトランプ氏を必要以上に露出させていました。民主党としては共和党候補がトランプ氏ならクリントン氏の勝利は容易だと踏み、お抱えメディアを使って「クリントンVSトランプ」の構図に導いていったのです。そして、それが実現すると、メディアはいっせいにトランプたたきに転じました。


先月行われたある調査では、「メディアはトランプ氏よりもクリントン氏に肩入れしている」と感じている人の割合が8割近くに達しており、この認識は広く浸透したことがわかります。仮にメディアがバンドワゴン効果を狙って情報を操作していたのだとすれば、やりすぎて逆にアンダードッグ効果を招いてしまったことになります。


米国内の人口動態の変化、つまり相対的にみた白人人口の減少やリベラル志向の有権者の増加を考慮すれば、民主党が有利になって当然でした。日本では民進党のある衆院議員が自身のツイッターに、米国人で民主党支持のある金融機関関係者が今回トランプ氏に投票すると話していたと発信。「本質はワシントン的な既成政治に対する漫然とした不満」と指摘しています。


有権者の「既成政治に対する不満」には、既成政治と一体化したメディアへの反発も多分に含まれているのではないでしょうか。かつて「ウォーターゲート事件」を暴いた高級紙も、「既成政治」に立ち向かう反骨精神など、とうの昔に生ごみと一緒に捨ててしまったようです。劣勢にあったはずのトランプ氏がクリントン氏を破るに至ったのは、本来の役割を置き去りにしたメディアに大きな要因があると考えます。

(吉池 威)

<MT>

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