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【注目トピックス 日本株】ボルテージ Research Memo(3):事業区分の見直し、組織再編を図り、19/6期に業績の更なる飛躍を図る

2016年11月18日 16:03

■ビジネスモデル改革プラン『3年戦略』を発表

(2)『3年戦略』の概要

津谷社長がまず目指したことは、これまでターゲット別に区分していた事業の再整理と次代を担うリーダーの育成だ。これまで2つだった事業区分は、客層と技術の新規性の程度によって3つに分類し直され、組織の硬直化対策や商品展開の細分化への対応なども絡めて、15の自律組織をつくり、それぞれのトップを次世代の15人のリーダーとして育成することを決断した。

そして、これらの実現を入口として、津谷社長のリーダーシップのもとボルテージ<3639>が策定したビジネスモデル改革プランが『3年戦略』だ。これは商品展開やその開発運営の方法、それを実行するチーム・組織の在り方、社内のKPI(重要業績指標)、人事評価制度など、広範囲に及ぶものだ。『3年戦略』のネーミングは、2017年6月期と2018年6月期の2年間を使って構造改革をしっかりとやり遂げ、3年目の2019年6月期においては業績の飛躍という目に見える形で成果を出すことを目標としている点に由来している。

『3年戦略』はそのカバー範囲が広いこともあって、2016年6月期通期決算発表の際に骨子が発表されたのを皮切りに、2017年6月期第1四半期決算において、改革全体像とともに“新展開”及び“新規モデル”に関する改革の詳細が発表されている。さらに軌道修正や追加事項がある場合は第2四半期以降の決算発表に続くと想定されている。

(3)『3年戦略』の入り口詳細

収益力・成長性の回復に直接影響するのは各事業に対する具体的施策だが、それらをより効率的に機能させるためには土台となる部分にも手を付ける必要がある。また、土台部分をきちんと作らないことには、組織としての本質的な強さが生まれてこない。『3年戦略』における土台部分の改革というのは、事業区分の再整理と15の自律組織への再編成の2つが該当する。

収益力・成長性の回復に直接影響するのは各事業に対する具体的施策だが、それらをより効率的に機能させるためには土台となる部分にも手を付ける必要がある。また、土台部分をきちんと作らないことには、組織としての本質的な強さが生まれてこない。『3年戦略』における土台部分の改革というのは、事業区分の再整理と15の自律組織への再編成の2つが該当する。

a)事業区分の再整理
同社はこれまで、ターゲットとする市場を念頭に、日本語恋愛ドラマアプリを“基幹事業”、英語版恋愛ドラマアプリやサスペンスアプリなどを“新規事業”とする2区分体制で事業を展開してきた。これは「日本語女性向け市場」において恋愛ドラマアプリを収益源として確立させたのち、市場を拡大するうえで「英語市場」と「男性向け市場」を新たなターゲットとして選択し、それぞれに、英語版恋愛ドラマアプリとサスペンスアプリで攻め込もうという戦略を採用したことを反映している。

それに対して、『3年戦略』においては客層(横軸)と技術(縦軸)の新規性の度合いを、「基幹モデル(既存展開)」、「基幹モデル(新展開)」及び「新規モデル」の3区分で再整理し、9つのマスにそれぞれ振り分けた。客層について見ると、事業区分を再整理した結果、“新規モデル”においては「英語・女性」を対象とする“US REAL”や“DRAGON”、「日本語・男性」を対象とする“サスペンス”が混在する一方、同じ「英語・女性」を対象としながらも収益化により近い位置にある“L10N”は“新展開”と位置付けられている。

技術面では従来からの主力である恋愛ドラマアプリを“既存展開”と位置付けた上で、『ダウト~嘘つきオトコは誰?~』のように恋愛ドラマに調査や審判等の要素を加えたものを“シーク”いう新シリーズとして独立させ、“新展開”に分類した。また、『LOVE☆スクランブル』のような“パズルアクションゲーム”や、今後ローンチ予定の“モーション”などは“新規モデル”に分類した。また、2017年6月期第1四半期決算発表においては、最も新規性の高いマスが“新立地”に属する“ハイテク”と“リアル”という新たな事業領域で埋められている。

このような事業区分の変更は、一見すると現状の追認や表現の変更に過ぎず大きな意味はないように見えるが、決してそうではない。9マスから成る新事業区分は、同社の各商品や市場についての現状認識と今後の見通しや方向性、事業戦略などが1つに凝縮されたものと言える。後述する組織改革を始めとする、同社の『3年戦略』のすべてがこの事業区分をベースとしている。換言すれば、この事業区分の変更を理解することが今後の同社を分析・理解するうえでの第1歩となるということだ。

事業区分について、9マスの枠組み自体は『3年戦略』のもとでは変化はないと考えられるが、各マスの中身は変化してくると予想される。むしろ、変化させなければならないと弊社では考えている。その意味は、“新規モデル”のマスにある各事業は、早期に収益化を果たして“新展開”の枠へと移行していくことが期待されており、“新規モデル”の枠には新たな事業や商品シリーズを加えていかなければならないということだ。

b) 15の自律組織へ再編成
同社では組織に関しても、改革の最初のステップとして、前述した事業区分や業務プロセス、機能(制作、デザイン、集客など)ごとに15の自律組織へと再編を示している。これら自律組織の運営の最適化を通じて新製品・サービスのローンチと収益獲得を強化していく方針だ。15という数には、事業・商品区分や業務プロセス、機能の必要性から導出された数と、将来の持続的成長実現のために同社が必要とするリーダーの数という、2つの意味合いが込められている。15人のリーダーは、数10人~最大100人からなるチームをマネジメントすることになる。若手社員が多い(社員の平均年齢は20代後半)同社にあって、事業立ち上げの経験を通して稼ぐ力を習得することが期待されている。

各自律組織に求められていることは、事業区分ごとに最適な「ローカルルール」を設定・確立することだ。ローカルルールの対立概念として「統一ルール」がある。前述のように、株式公開時から過去最高利益を記録した2012年6月期頃までは、実質的には日本語の恋愛ドラマアプリの1本足経営であると同時に、当該事業が成長著しい時期でもあった。制作・ローンチ・運営・宣伝等一連の作業について、その時に用いられていたものが同社の“統一ルール”となった。しかし現在において同社は、過去の分析により、最近の停滞の原因はこの統一ルールを新商品・新事業にそのまま適用してきた点にあると結論づけている。そこで『3年戦略』では、必要な部分における統一ルールを保持しつつも、15の自律組織に対してそれぞれの事業内容に照らして適用すべきローカルルールの確立が求められている。「自律」という言葉はこの点に由来している。

弊社では、15の自律組織への組織再編は、大きな可能性を秘めた有効な施策だと評価している。前述のローカルルールの確立は、新規事業・商品の立ち上げにおいて最も基本となる部分であり、損益管理上も非常に重要なポイントだ。この点を明確化した意義は大きい。しかし一方で、ローカルルールの確立はそれなりに難易度が高い作業であるのも事実だ(だからこそこれまで統一ルールに頼った運営を行ってきたと言える)。15の自律組織の各リーダーに対してローカルルールの設定・確立を課すことが、そのままリーダー育成につながる実務経験の蓄積となると弊社では考えており、同社の組織改革を見守りたいと考えている。

また、この取り組みに基づいて、将来の成長性を同社がどのように考えているかも図に示されている。現在の収益源である“既存展開”については、明確にマイナス成長を想定しているのは興味深い。“既存展開”の将来性をなぜそのように考えているか、そしてどのような手を打つのかは今後の『3年戦略』の更新により明らかにされることだろう。次代の収益源として最も期待されているのが“新展開”と“新規モデル”の2つの事業区分だ。この両者の伸長が“既存展開”のマイナス成長を埋め、全社としての成長をもたらすと期待されている。後述の通り、両者についての具体的施策が真っ先に示された理由はここにある。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 浅川 裕之)

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