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「米ドル/円」以外の通貨ペアが人気に
 1998年にスタートしたFXの最大の魅力は、わずかな証拠金で、その数倍から数百倍の通貨を取引できる「レバレッジ効果」が活用できることだろう。例えば、米ドル/円の組み合わせで、円を売って1万米ドルを買う場合、1米ドル=100円とすると1万米ドル=100万円となるので、レバレッジ10倍なら必要となる証拠金は10万円、100倍なら1万円で済む計算だ。
昨年来、FX界の〝カリスマ子育てママ〟として海外を含め多くのメディアに採り上げられた鳥居万友美さんは、FXの魅力を次のように語る。
「平日なら24時間いつでも取引ができる点が、育児に忙しい私にピッタリでした。また、株式投資では銘柄選びが重要ですが、FXでは投資対象となる通貨のペアはせいぜい10種類程度。企業の財務内容をチェックできる専門的な知識がなくても、基本的なチャート分析が理解できれば利益を得られる点も自分に向いていました」
 こうしたメリットは現在も変わらないが、昨年までは、レバレッジ効果によるハイリターンの部分が強調され、リスクが軽視された結果、サブプライム・ショックで大きな損失を出した個人投資家が続出した。その後も為替市場は波乱が続き、一時的に個人投資家のFX取引は低調になった。
 しかし、08年に入って、状況が変わってきた。FX大手のアイディーオー証券営業統括部の松田勇次部長はこう証言する。「08年2月から新規口座の開設数が急増中です。新規の方に加え、FX投資経験1年程度の方も多く、手数料などサービス面で有利な業者にシフトしているようです」
 いま、FX業界は、手数料無料の業者も多く登場し、売買スプレッドもわずか5銭以内でしのぎを削っている。売買コストがどんどん下がっているため、利益を出しやすい環境になっているのだ。
 また、個人投資家のスタンスにも以前とは明確な違いが見られる。「レバレッジも10倍程度までに抑えて、1日1?2回のトレードをしている方が多いようです。また外貨を売って円を買うショート・ポジションの注文や、米ドル/円以外の通貨ペアの注文も増えています。リスクを負いすぎないよう、無理な取引は避け、チャンスをじっくり待つ投資家が多くなっているようです」(前出・松田氏)
 どうやら、誕生から10周年を迎えたFXは、業者のサービスと投資家の取引手法の両方で進化しつつあるようである。

「マネーポスト」2008年9月号に掲載