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短い足のチャートは「ダマシ」も多い
 FX投資家にとって超短期トレードは、実は普通のスイングトレードよりも難しい面がある。まず、原則論として、5分足、 10分足などの短い足のチャートはシグナルの「ダマシ」も多く、信憑性が低いという認識を持ってほしい。海外の銀行ディーラーのなかには、個人投資家に向けて意図的に「ダマシ」のシグナルが出るように売買する人たちもいるという。
 超短期トレードで勝つには、短い時間のなかで信憑性の高いシグナルを見つけ出して取引することが鉄則である。そのためには、たとえ短いスパンで勝負しようと思っても、日足、週足など長いスパンの足のシグナルにも注目しなければいけないだろう。
 とはいえ、「個人投資家は超短期トレードをすべきでない」といっているのではない。大前提として超短期トレードは難しい、という認識をもってもらいたいのである。それを理解できた人のために、勝率の高いテクニカル分析の基本法則をいくつかお伝えしよう。

売りを誘う「提灯(ちょうちん)」に惑わされるな
①ブレイクアウト
 短期、長期にかかわらず、もっとも信憑性、確実性の高いシグナルが「ブレイクアウト」である。一般的に、直近の高値・安値の更新、レジスタンスライン(抵抗線)・サポートライン(支持線)などを超えたところが勝負のポイントとなる。特に数日間続いた高値の更新は、超短期トレードにとっても絶好のチャンスである。例えば、3日目の高値の更新は2日目の高値更新よりも信憑性が高い。相場のリズムをみても3日目にブレイクアウトすることが多い。
 ただ、相場の動きが速い上、他のトレーダーたちもその瞬間を狙っている。パターンを暗記し、シグナルを発見したら躊躇なくトレードに踏み切るスピードが必要だ。
②ボリンジャーバンド
 代表的なテクニカル分析の1つである「ボリンジャーバンド」も超短期トレードに有効である。
ただし、「トレンドがない時」という大前提がある。トレンドがある場合、ボリンジャーバンドは通用しにくい。目安として、±3σシグマ(標準偏差)を超えるとトレンド発生の可能性が極めて高い。
ボラティリティ(値動き)の大きいポンド/円などの通貨では、トレンドがない場合でも±3σに届くこともあるが、±3σをはみ出すことはあまりない。
 売買タイミングとしては、±2σをはみ出して±3σまで近づいたら逆張りのエントリー。移動平均線、あるいは反対方向の±1σまで戻ったところで利益確定をしたい。ただし、狙う利益の半分程度のところに必ず損切りラインを設定しておくことが重要である。
急にトレンドが発生する場合もあるので、気をつけたい。
③提灯消し  高値を更新した後の大きな下げが売りを誘い込む「提灯」となり、その安値からレートが急上昇する相場を狙う方法も紹介しよう。緩やかな上昇トレンドにあるときに使える「提灯消し」戦術である。
 「ダマシ」と「ダマシでない動き」をどうすれば見極められるか。私は「カメ戦術」と名付けているが、慌ててエントリーせずに、意図的に一歩遅れをとり、その後の反転や切り返しするところまで辛抱強く待てばよいのである。
多くのトレーダーは精神的に待てずに「提灯」での売買の動きにつられて取引をして振り落とされる。「提灯」でない場合もあるので注意が必要だが、短期トレードでよく出現するパターンのひとつであり、大きな値幅も狙えるので、ぜひマスターしてほしい。

 短期のトレードであるほどシンプルな戦略が成功のカギを握る。複雑な戦略だと、判断が難しくなり、エントリーや決済のタイミングを逃してしまうからだ。
今回紹介した3つの戦略のほかにも、シンプルに移動平均線だけ を活用しても勝利をつかむことができる。移動平均線をローソク足が上抜け、下抜けしたタイミングでエントリーするだけでも、トレンドに沿って利益を出すことは可能だ。
もちろん、売買シグナルに どのくらい信憑性があるかを見極めるには、日々の鍛練が必要である。最終的には自分の経験からしか勝利の方程式を導けないこともしっかり胸に刻んでほしい。

「マネーポスト」2009年3月号に掲載