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リーマン・ショック後落ち込んでいた個人投資家のFX(外国為替証拠金取引)が再び活発になってきた。改めてFXの魅力に注目が集まっているわけだが、その最大のポイントは、これまでプロにしかできなかった為替取引が、個人レベルでできるようになったことだ。ところが、同じような取引ツールを使っているにもかかわらず、個人投資家が長く勝ち続けられるケースは稀である。プロと個人の取引は何が違うのか? 自身もかつてプロのディーラーとして活躍した川合美智子氏が、すぐに役立つプロだけが知っている5つの「極上テクニック」を伝授する---。
最近、FXの個人投資家のトレードスタイルで顕著なのは、デイトレードやスキャルピングといった超短期売買が増えていることである。スプレッドの極小化と手数料が限りなく0銭に近づいたことで、10銭、20銭の幅で売買しても、細かく利益を上げられるようになっている。
もちろん、プロの為替ディーラーが、短期トレードをしないわけではない。そのスタイルは、1日でポジションを清算する「スポット・トレーダー」と、比較的長めのポジションを持つ「プロプライエタリー・トレーダー」の2種類に大別できる。ただ、いずれも収益を最大化することに力点をおいている。
個人とプロの一番大きな違いは、利益の取り方だ。個人の場合、「1日でいくら」というように、目標額を決めてトレードしている人が多いようだが、この手法だと、小局にこだわってしまい、“利小損大”を招く恐れがある。
なぜなら、大きなトレンドの転換点に気づかないケースがあるからだ。為替レートの動きは、大きなトレンドのなかに、小さな波がある。この小さな波を取ることに拘泥してしまうと、トレンドが大きく変わった時にそれに気づかず、自分の持っているポジションと逆の方向に思い切り持っていかれることになりかねない。10銭、20銭の幅を取るつもりが、一気に1円以上ものロスが生じるケースもある。大局のなかでの小局を意識することが大切だ。
なお、プロの場合、2~3日ポジションを持ち続ける場合は、必ず損切りポイントを設定する。その後は、目標値に達するまで保有し続ける。これは、少しでも大きな利益を上げるのが目的だからだ。
一度エントリーした後に、再びポジションを重ねるトレードには、「ナンピン」と「利乗せ」がある。しかし、守りと攻めという点で、両者は逆の意味合いを持っている。「ナンピン」は、コストを平準化させるためのものだ。たとえば1ドル=100円でドル買いエントリーをし、95円までドル安が進んだところで、もう一度、同額のドルを買えば、97円50銭までコストを下げることができる。個人の場合、往々にしてナンピンをしがちだが、これは同じポジション追加でも守りの戦法であり、平均コストまで戻ったところでポジションを閉じる「チャラ逃げ」で良しとしなければならない。
これに対して、利益の出ているポジションにさらにポジションを追加する「利乗せ」は攻めの戦法で、プロは積極的にこれを行なう。たとえば、1ドル=100円でドルを買った後、101円迄ドル高が進んだら、さらにドルを買う。その後のドル高が続けば、その都度、ドルを買い増し、最後に積み上げたポジションにあらかじめ決めた損失額が生じた時点で、全ポジションを清算する。仮に損失額を50銭に設定し、104円までドルを買い進んだ後、ドル安に転じて103円50銭になったとしても、平均コストは102円なので、1円50銭分は利益が取れる。
もちろん、プロが一切ナンピンしないわけではない。自分が正しいと思っているトレンドにおいて、損切りポイントの直前で行なう「勝つためのナンピン」は、間違った行為ではない。
たとえば、1ドル=100円でドル買いエントリーし、98円を損切りポイントに設定していた場合、98円10銭程度でナンピンするのは正しい行為だ。仮に98円までドル安が進めば、そこで損切りをすればよいし、その前に反転すれば、大きな利益も見込める。
プロにとって、損切りはそれほど難しいものではない。自分で決めたポイントに達したら、機械的に切れば良いだけのことだ。ただし、利食い(利益確定)はプロでも難しい。チャートポイントに達したところで一旦利食うというクセをつけておくのが良いだろう。
外国為替市場は、原則として24時間動いている。
ただ、時間帯によって値動きにクセがあることをご存じだろうか。これを把握しておくと、実際にトレードをする際、非常に役に立つ。
たとえば夏時間のとき、ニューヨーク市場がクローズするのが、日本時間の午前6時。東京市場がオープンするのが午前9時だ。
この3時間は、シドニー市場での取引が行なわれている時間帯だが、同市場は流動性が薄いため、ここでの動きは、ほとんどがダマシと考えるべきだろう。どのような動きをしたとしても、東京市場が開いている時間中に、ニューヨーク市場の終値に吸い寄せられていくケースが多い。
仮にニューヨーク市場の終値が1ドル=94円50銭で、シドニー市場の始値が93円90銭だとしよう。この場合、ドル安水準で始まっているので、市場参加者の多くはドル売りから入ってくる。ところが、東京市場での取引が進むに連れて、徐々に94円50銭に吸い寄せられる動きをする。したがって、ニューヨーク市場の終値に比べて、シドニー市場の始値がドル安水準でスタートした時は、逆張りでドル買いポジションを持ち、ニューヨーク市場の終値に吸い寄せられていくところで利益を確定させるという戦略が有効に働く。
また、日本時間の午後3時以降になると、ロンドンやフランクフルト市場が開き、欧州勢も参加してくるので、“本来の為替の動き”になる。特にユーロなどの欧州通貨で取引するのなら、この時間帯以降がお勧めだ。
ドル/円についていえば、東京市場で高値、安値をつける傾向が強い。たとえば米国で高値をつけ、その動きについていけなかったとしても、東京市場で再び高値をつけにいくケースがあるので、そこまで待てば、再び利益を確保するチャンスが訪れる。
そして、日本時間の午後9時半頃には、雇用統計などの米国の重要指標が発表される。ここでも値動きが大きくなるので、やはり利益を確保するチャンスになる。






