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自分に合ったFX会社はどこなのか――。その選択はますます難しくなっている。金融庁の規制強化によって、FX業界が変わりつつあるからだ。そのひとつが他社との差別化。以前は高レバレッジを売り物にする会社が多かったが、レバレッジ規制によって低スプレッド競争に対象が移った。しかし、スプレッドも「米ドルで1銭~」というのが当たり前になったことで、現在は「スリッページ」が差別化の対象になっている。スリッページとは、注文レートと実際の約定レートの差のこと。たとえば、米ドル/円の買いを90円30銭で注文したにもかかわらず、約定したのは90円31銭だった、ということが起きる。これがスリッページだ。スリッページはその一部がFX会社の利益になっているとの批判もあり、現在は「スリッページなし」を売り物にしているFX会社も多い。
このような状況の中で、一番有利なFX会社はどこなのか、実地検証を行なった会社がある。金融業界を中心にマーケティングやコンサルティングをてがけるトラヴィス・コンサルティングだ。今回はその検証結果を紹介しよう。
検証対象となったのは、いま話題のFX会社の中からタイプの違う6社が選定された。ネオFX会社の外為オンライン、クリック証券、DMM.com証券の3社、海外から参入したフォレックス・ドットコム、異業種系有名FX会社のサイバーエージェントFX、取引所取引(くりっく365)のインヴァスト証券だ。
検証は発注から約定までの時間(約定スピード)や注文に対してどの程度の確率で約定するか(約定率)などの定量分析テストと取引画面の見やすさや使用感などの定性分析テストの両面から行なわれた。
また、FXは時間帯によって大きく取引量が変わるため、比較的市場が落ち着いている東京市場の14時、ロンドン市場のオープン時間の16時半、ニューヨーク市場のオープン時間の22時半の3つの時間帯で行なわれた。
トラヴィス・コンサルティング代表取締役の畠山一教氏は「3つの時間帯に実際に売買して検証を行なうことでトレーダーの目線での結果が得られました」という。
約定スピードとは、「成行で発注した際にどのくらいで約定するか」という時間。約定のタイミングが遅ければレートが変わってしまう可能性が高くなり、損益を大きく左右する。とくにデイトレーダーなど頻繁に売買する人にとっては、影響が大きいだろう。
検証は対象6社で同時に発注をし約定までの時間をストップウォッチで計測する方法で行なわれた。
結果は表の通りだが、もっとも速いのはクリック証券。平均約定スピードが0.71秒で6位の会社との差は1.84秒となった。2位のDMM.com証券と3位のフォレックス・ドットコムはほぼ互角。その後にインヴァスト証券、サイバーエージェントFXと続いた。
ただし、この検証は実際の売買と同様、人為的な計測であるため、1秒以下の約定スピードに関しては人的要素もあることに注意したい。
また、3つの時間帯でレートチェックも行なわれた。その時点のスプレッドも表にまとめた。DMM.com証券がもっともスプレッドが狭く平均で0.5銭。クリック証券が2位で0.7銭という結果だ。
注文をしても必ずしも約定するとは限らない。スリッページが話題になってからは、許容スリッページを設定できる会社が増えたが、スリッページをゼロにすると注文がリジェクト(拒否)されるケースも多くなる。
そこで1回の注文でどの程度約定する確率があるか、約定率が検証された。約定率が低いと新規注文ならまだしも、決済注文であれば利益が減ってしまったり、損失が拡大する可能性がある。デイトレダーだけでなく、あまり頻繁に売買しないトレーダーも注意したほうがよさそうだ。



