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医療・介護保険なども含めて生命保険に生涯支払う保険料を累計すると、住宅に次ぐ高い買い物といわれます。にもかかわらず、「保険はよくわからない」という声をよく耳にします。では、そもそも保険はなぜ必要か。そこから考えてみましょう。
人生には大きく分けて、6つのリスクがあります。「死亡」や「入院」、がんや心筋梗塞、脳卒中といった「重度疾病」、また数か月に及ぶ超長期の入院、あるいは退院後も職場復帰できない「就労不能」もあるでしょう。そして「老後」……。さらに子どもがいれば、教育費という「学資」がかかってきます。
ところが、多くの方が加入している保険の中身を見ると、本当に必要な時に十分な保障が得られないようなものばかりが目立ちます。たとえば、死亡率や病気になる確率が低い若い頃に受け取れる保険金ばかりが高く設定されているケース。あるいは、死因トップということでがんだけに備える「がん保険」に加入する方も少なくありませんが、実はがんよりも心筋梗塞や脳卒中の方が在宅療養やリハビリ費用などがかかり、いわば「生き長らえるリスク」が高いということをご存じでしょうか。
本来、保険というものは、年齢やご自身のライフプランに応じて決まってくるものであり、人生における金銭面のリスクをカバーするものです。そうである以上、保険設計の考え方さえしっかり構築できれば、将来にわたって余計な不安を抱く必要もなくなるわけです。
ここで下掲の図表を見てください。これは年齢別に確率の高いリスクを図式化し、それに備える保険商品を列挙したものです。


たとえば全世代に共通するベースとしては、【A】医療に備える「積立型医療保険」と【B】がんや心筋梗塞、脳卒中などをカバーする「特定疾病終身保険」が考えられます。加えて、結婚して家庭を築け【C】老後資金に備えて「利率変動型終身保険」を用意する必要性も生じてきます。リスク分散という意味では、円建てだけでなく、ドルやユーロなどの外貨建てにしておく手もあります。
子どもができれば、【D】学資にも振り向けることができる「低解約型利率変動終身保険」。これは保険料の払込期間を15~18年程度の短期払にすることで一般的な学資保険よりも積み立て効率が高くなるというメリットがあります。さらには万が一、家計を支える人が死亡または働けなくなる可能性もあり、【E】家族の生活を保障する「総合収入保障保険」や「所得補償保険」も求められます。
そして定年を過ぎれば、介護が現実味を帯びてくるため、【F】「終身介護保険」という備えもしておく。
このように、まず自らのライフプランを将来にわたって考え、そこで金銭的に不足しそうな部分を保険でカバーすればいい。それが「保険設計」なのです。
ところで、生命保険の加入率は8割近くに上り、ほとんどの方はすでに何らかの保険に加入しています。新たに加入するというよりも、いま自分が契約している保険を見直すだけで、今後の不安が取り除けるばかりか、コストダウンにも繋がります。下のチェックリスト10項目のうち、ひとつでも当てはまる場合は、ぜひ保険の見直しを検討していただきたいものです。
まず【1】に該当する人は、義理や人情に厚いのかもしれませんが、はっきりいえば、保険会社側にいわれるがままで、中身がわかっていない。一方、【2】や【3】は少しでも安いものを求めたのでしょうが、肝心な時に必要な保障が得られない「安かろう、悪かろう」に陥っている可能性があります。【4】も中身がわかっていないのは明らかです。
【5】と【6】は保険会社の常套句であり、セールストークに乗せられて、必ずしも契約者が有利になるケースばかりではないことに注意を払うべきです。そして【7】も保険会社の常套手段であり、一見、契約者に選択の余地があるように思われますが、保障に対するコストと資金効率のバランスが悪いものになっている恐れがあります。
【8】や【9】は、保険会社が相場の話ばかりをして、個人個人の実態にそぐわないケースも考えられます。
そして、意外に多いのが【10】のケース。高い保険料を払っているのに、自分や家族がいったいいくらもらえるのか把握していないのは言語道断です。すぐさま保険証書を見直すことをお勧めします。
保険というものは往々にしてかけすぎている、つまり「過大保障」であることが少なくありません。これを最低限必要な「適正保障」に見直すだけで、家計のバランスは驚くほど向上する。場合によっては、それだけで支払う保険料が半分に抑えられるコストダウンにつながったり、途中解約した際に受け取れる解約返戻金というリターンが10倍に増えたりするケースも実際にあるのです。