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【注目トピックス 市況・概況】来週の相場で注目すべき3つのポイント:米FOMC、金融システム不安の行方、各国3月PMI

*16:54JST 来週の相場で注目すべき3つのポイント:米FOMC、金融システム不安の行方、各国3月PMI
■株式相場見通し

予想レンジ:上限27500円-下限25800円

来週の東京株式市場は軟調か。21-22日に米連邦公開市場委員会(FOMC)が開催される。16日に開かれた欧州中央銀行(ECB)定例理事会では従来の計画通り0.5ポイントの大幅利上げが決定された。ただ、銀行業界の混乱を背景に、今後の政策金利の軌道を示唆する文言は声明文から取り除かれた。また、ラガルド総裁は記者会見で、将来の利上げについて「現時点で決定することは不可能」と発言。利上げが停止されるまでには至らなかったものの、足元の一連の事態に配慮した言動が所々に見られた。FOMCでも利上げ停止にならなかったとしても、同様に先行きについては含みを持たせた柔軟な姿勢が示されると推察する。

フェデラルファンド金利先物市場は一時、年末までの4回の利下げを織り込み、週末時点でも年内3-4回の利下げを予想している。米連邦準備制度理事会(FRB)は神経質になっている市場にショックをもたらさないよう配慮を見せると思われる一方、早期の利上げ停止がインフレを再燃させる恐れも警戒し、今回の政策金利見通し(ドットチャート)ではインフレに対するファイティングポーズを見せるため、現在の市場想定よりは高い金利水準を示してくる可能性がある。そのため、市場の織り込み対比で考えれば今回のFOMCでは波乱の余地が残されていそうにも見える。ただ、パウエル議長の会見ではトーンが軟化すると考えられ、FOMCは大きな波乱なく消化すると考えている。

一方、市場の最大の関心事である世界的な金融システム不安の高まりが引き続き重しとなるだろう。各国の金融当局と政府が迅速に緊急対応策を実施していることもあり、連鎖的な倒産、システミックリスクは避けることができると思われるが、急速な金融引き締めの影響が大きい新興企業や不動産業界への貸し出し割合が高いところでは今後も経営難に直面する銀行が出てくる可能性は高い。国内外の銀行株の急落後の戻りの鈍さからも、投資家の警戒感は解消されていないことが窺え、株式市場の上値の重い展開が続きそうだ。

また、日本株を巡る需給の悪さにも留意したい。10日時点の裁定取引に係る現物ポジションの買い残は1兆4587億円と昨年8月半ば以来の水準で、直近3年の中では最も高い水準に当たる。売り残を差し引いたネットベースでも同様の状況だ。東京証券取引所による低PBR・低ROE企業への改善要請や3月期末に向けた配当権利取りなどを要因に、10日の3月限株価指数先物・オプション取引の特別清算指数算出(メジャーSQ)にかけて海外投資家が先物買いを加速させたことが背景にあるのだろう。一方、3月第2週(6-10日)の海外投資家の現物売買動向については1兆1164億円と大幅な売り越しだった。

今週からの日本株の相対的な弱さは、こうした足の速い資金が流出していることの証左だろう。積み上がった裁定買い残の解消余地はまだ残されていると推察され、需給悪は当面日本株の上値抑制要因となりそうだ。他方、3月期末に向けた配当権利取りの動きの復活が下値を支えることに期待したいところだが、今週は鉄鋼、非鉄金属、卸売(商社)、海運など先週まで強かった銘柄が軒並み急落し、弱い動きが最後まで続いた。金融システム不安にもとづく景気後退懸念が緩和されない限りは、権利取りの動きが力強く復活することは期待しにくいだろう。

個別では、世界的な景気後退懸念を背景に金利の先高観が大きく後退したことから、景気・為替との連動性の低いサービスや情報・通信といった内需系グロース(成長)セクターが相対的に優位な展開を予想する。また、先行き不透明感がくすぶる中、原材料高の一服と値上げ傾向による業績改善期待が高い食料品や、中国経済再開の恩恵が大きいインバウンド関連、ディフェンシブ性の高い医薬品、ディフェンシブ性に加えて円安一服も業績改善につながる電気・ガスなどの買い安心感が強いと想定する。

■為替市場見通し

来週のドル・円は伸び悩みか。米連邦準備制度理事会(FRB)は利上げ継続の方針を変えていないが、米シリコンバレー銀行の破綻をきっかけとした金融システム不安がくすぶり、金融支援策が発表されても市場の警戒感は根強い。欧州中央銀行(ECB)はインフレ抑止を優先させる政策方針を決定し、FRBもこの動きに追随するとの見方がある。一方、直近のインフレ関連指標はインフレ鈍化を示唆しており、3月21-22日開催の連邦公開市場委員会(FOMC)の会合では0.25ポイントの利上げにとどまる見通し。

FOMC会合終了後に公表される声明でインフレ抑制に前向きな姿勢を緩めず、利上げ継続を示唆した場合、リスク回避のドル売り・円買いは縮小する可能性があるが、金利上昇による金融環境の逼迫によって米国は景気後退に陥る恐れもあることから、利上げが実施されてもリスク選好的なドル買い・円売りは拡大せず、ドルは伸び悩む可能性がある。

■来週の注目スケジュール

3月20日(月):日・日銀金融政策決定会合における主な意見(3月9、10日)、日本銀行(日銀)の新副総裁に内田、氷見野両氏が就任、住信SBIネット銀行のIPO条件(売り出し価格)が決定、中・1年物ローンプライムレート(LPR)、欧・ラガルド欧州中央銀行(ECB)総裁が議会証言、など

3月21日(火):日・株式市場は祝日のため休場(春分の日)、独・ZEW期待指数(3月)、米・中古住宅販売件数(2月)、米・連邦公開市場委員会(FOMC)(22日まで)、欧・ECB総裁がパネル討論会に参加、米・決算発表→ナイキ、など

3月22日(水):日・工作機械受注(2月)、日・SHINKOが東証スタンダードに新規上場(公開価格:2200円)、英・消費者物価コア指数(2月)、米・連邦公開市場委員会(FOMC)が政策金利発表、米・FOMC終了後、パウエル連邦準備制度理事会(FRB)議長が記者会見、ブ・ブラジル中央銀行が政策金利(セリック金利)発表、米・イエレン財務長官が上院小委で証言、、など

3月23日(木):日・全国百貨店売上高(2月)、日・日本ナレッジが東証グロースに新規上場、日・ハルメクホールディングスが東証グロースに新規上場、日・アイビスが東証グロースに新規上場、スイス・中央銀行が政策金利発表、トルコ・中央銀行が政策金利発表、英・イングランド銀行(英中央銀行)が政策金利発表、米・新築住宅販売件数(2月)、米・新築住宅販売件数(2月)、など

3月24日(金):日・消費者物価コア指数(2月)、日・独・欧・英・米・総合PMI(3月)、米・耐久財受注(2月)、など

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