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【注目トピックス 日本株】アンジェス Research Memo(2):現在開発ステージだが、開発品の上市で利益化も視野に

2017年1月10日 13:31

■会社概要

(1)会社沿革

アンジェス MG<4563>は1999年に設立された大阪大学発のバイオベンチャーである。創業者であり、当時同大学医学部の助教授であった森下竜一(もりしたりゅういち)氏(現 大阪大学大学院 医学研究科 臨床遺伝子治療学講座 教授)らの研究チームが、1995年にHGF遺伝子(肝細胞増殖因子)の投与による血管新生作用を発見し、この研究成果を事業化することを目的に設立された。

HGF遺伝子治療薬では2001年に第一製薬(株)(現 第一三共<4568>)と独占的販売権許諾契約を結んだが、その後提携関係を解消しており、代わりに田辺三菱製薬<4508>と2012年に米国市場、2015年に国内市場で末梢性血管疾患を対象とした独占的販売権許諾契約を締結し、上市に向けた開発を進めている。

もう1つの主力開発品である核酸医薬品のNF-κBデコイオリゴは、アトピー性皮膚炎(顔面で中等症以上の患者が対象)治療薬として開発を進め、2005年にアルフレッサファーマ(株)と共同開発契約を締結したが、開発方針の転換により2008年に共同開発契約を終了。2010年に塩野義製薬と独占販売権許諾契約を締結した。また、2012年よりメディキットとNF-κBデコイオリゴを薬剤とした薬剤塗布型バルーンカテーテルの共同開発を進めてきたが、2016年12月に臨床試験の結果において、既存のバルーンカテーテル群と比較して、統計的有意差が得られなかったことで、共同開発を終了している。

このほか、2006年には希少疾病であるムコ多糖症VI型治療薬「ナグラザイム」の国内での販売権を米バイオマリン ファーマシューティカル(以下、バイオマリン)から取得し、2008年より販売を開始したほか、2013年に韓国バイオリーダースから導入したCIN治療ワクチンに関して、2016年12月に森下仁丹に独占的開発・製造・販売権の再許諾を行う契約を締結している。

なお、連結子会社は2社あり、米国の子会社はHGF遺伝子治療薬の開発拠点として、イギリスの子会社は欧州地域における情報収集やライセンス活動の拠点として事業を行っているが、いずれも規模は小さく、連結業績に与える影響は軽微となっている。

(2)事業の特徴とビジネスモデル

同社の事業の特徴は、遺伝子の働きを活用した医薬品である遺伝子治療薬、核酸医薬、そしてDNAワクチンを遺伝子医薬として定義し、その研究開発に特化していることにある。開発の対象疾患は、社会的な使命であると同時に確実な需要が存在する「難治性疾患」や「有効な治療法がない疾患」としている。また、自社開発品以外にもこうした事業方針と合致する開発候補品を海外のベンチャーや大学等の研究機関から導入し、開発パイプラインの強化とリスク分散を行っている。

同社は研究開発に特化しており、原薬の製造は外部の専門機関に委託している。また、販売についても開発品や地域ごとに大手製薬メーカーと販売権許諾契約を締結し、上市後も自社販売は行わないことを基本戦略とする。このため連結従業員数は、2016年6月末時点で60名と小規模となっている。なお、現在商品として販売しているものはバイオマリンから導入しているナグラザイムのみで、自社開発品の上市実績はない。

同社のビジネスモデルは、遺伝子医薬の開発を行い、開発の過程で販売権許諾契約(または共同開発・販売権許諾契約)をパートナー企業と締結することで得られる契約一時金収入、開発の進捗に応じて得られるマイルストーン収入、及び上市後の製品売上高に対して一定料率で発生するロイヤリティ収入で収益を獲得していくモデルとなる。臨床試験の規模や期間は対象疾患等によって異なってくるが、第1相から第3相試験までおよそ3~7年程度かかると言われており、臨床試験の結果が良ければ、規制当局に製造販売の承認申請を行い、概ね1~2年の審査期間を経て問題がなければ承認、上市といった流れとなる。

同社は現在開発ステージのため、収益も損失が続いているが、開発品が上市されれば利益化も視野に入ってくる。特に主要開発パイプラインであるHGF遺伝子治療薬やNF-κBデコイオリゴについては、自社主導の開発と先行投資を行っているため、ロイヤリティ料率も一般的な水準より高く設定されており、上市後の収益へのインパクトも大きくなることが予想される。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)

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