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【注目トピックス 日本株】萩原工業 Research Memo(4):「常なる革新 常なる創造」をモットーに、先取の精神にあふれる経営で成長(3)

2017年1月20日 16:26

■会社概要

c)戦略製品群
トップシェア、高い収益性、成長性などの観点から、戦略製品を選定する。現在は、「バルチップ」「粘着テープ原反」「その他高機能化製品」「フィルムスリッター」が相当する。全社の売上総利益率は28.0%(2016年10月期)だが、戦略製品群は30%超となり、萩原工業<7856>の「金の成る木」(cash cow)になる。2016年10月期の戦略製品群の売上高構成比は、前期比2.1ポイント増の48.3%であった。2017年10月期の構成比は48.9%を見込んでいる。

d)バルチップ−海外は大型案件が終了、内需を伸ばす
「バルチップ」(BarChip)は、期待の戦略製品だ。同社が長年培ってきたプラスチック繊維延伸・製造技術から開発された、セメントコンクリート用ポリプロピレン補強繊維である。同社がバルチップを発売して20年近く経過したことから、参入者が出てきた。サプライヤーが増えることは、市場拡大を加速させるメリットがある。補強繊維(国内)市場では、同社が約7~8割の圧倒的なシェアを持つ。同社の強みは、コストアドバンテージ、太さの違うファイバーを持つ品揃えと用途開発などトータルメリットにある。

当初はアスベストの代替品として誕生し、1995年の発売以来、瓦、外壁材などの補強材として建築分野で実績を上げ、高い評価を得ている。製品の特徴は、少ない量で補強効果が得られる、はく離・はく落防止、曲げタフネスの向上、耐食性に優れるなどである。日本では、市場規模が建築と土木工事の割合が7:3であるが、バルチップの売上高では3:7と割合が逆転している。建築分野は、建築法や消防法が壁となり新工法の浸透を妨げている。特に、公共工事で、その傾向が著しい。しかし、繊維のJIS化、工法としての採用を目指し、建築分野への取り組みを強化している。

土木用では、オーストラリアの鉱山や日本の関東地方の外環道路が知られている。オーストラリアの鉱山向けは、中国経済の成長率鈍化や資源価格の下落により、需要が減少傾向にある。一方、用途開発が進んでおり、民間建築や社会インフラ整備にも使用されるようになった。リオ五輪に関連した需要も取り込んでおり、今後は東京オリンピック関連のビジネスに期待している。鉄道の軌道用として枕木の高さ調整コンクリートの補強、コンクリート道路の補強、トンネル覆工用モルタル・コンクリートのはく落防止・ひび割れ抑制補強に使用されている。

2003年に、NEXCO(旧日本道路公団)の「トンネル施工管理要領」においてトンネル覆工コンクリート用補強繊維「パルチップJK」の使用が可能になった。コンクリートに添加した繊維の架橋効果により、コンクリート片の落下を防止し、第三者被害の予防に寄与することが確認された。

東京外環道路を始め首都圏を中心に交通プロジェクトが目白押しとなっており、バルチップの需要が旺盛だ。

日本では施工と施工後の開放時間が短い、排水性と静音性が良いなどの理由から、アスファルト舗装が圧倒的に多い。海外では、コンクリート舗装の長寿命を評価しており、中南米で普及しつつある。コンクリートのひび割れ抑制に、バルチップが使われる。

のり面補強工事では、従来工法としてラス金網による補強とスチールファイバー(鋼繊維)を使用する工法がある。金網は、のり面にある浮石の落下や吹付けたモルタルのダレを防ぐ。人手による金網の設置作業は、地山状態が悪いと危険作業になる。一方、スチールファイバーを用いる工法は、モルタルに補強用スチールファイバーを混入して吹き付ける。スチールファイバーは質量が重く、作業員への負担が大きい。また、経年劣化で錆が生じる。同社のバルチップを使用する工法は、スチールファイバーの替わりに有機繊維を混入したモルタルをのり面に吹き付ける。金網を省略でき、吹付け厚を軽減できる。モルタルのダレが抑えられ、作業性が改善する。金網を用いる従来工法と同等以上の曲げ強度を実現し、モルタルのひび割れ防止、ひび割れ進展の抑制、はく離・はく落が抑制され、耐久性が向上し、美観が保持され、第三者被害が防止される。

建築用途では、バルチップが土間床用コンクリートに使用されることで、わずらわしいワイヤーメッシュの設置が省略でき、コスト削減と工期短縮が図られる。工事現場の最優先事項は人手確保であり、バルチップを混入するメッシュレスコンクリートは省人化・省力化の点で評価が高い。

新製品「新(arata)」は、連糸形状の超繊維を使用する。コンクリートの爆裂を抑制する特性に優れ、航空機エンジンから噴射される高熱に対応するため、滑走路などの用途に適している。米国の基準をクリアーした。

e)メルタッククロス − 全米最大のプロデュースバッグメーカーが採用
4年前に海外市場で発売し、昨年、全米最大のプロデュースバッグメーカーとの長期契約締結に成功した。EUの大手食品用包装材会社とは、まだスポット注文にとどまっているが拡販予定である。

欧米では一般的に使用されているプロデュースバッグは、フィルムとネットのコンボバッグで、通気性があることから、野菜や果実の新鮮さを保つのに適している。同社が提供するネットは、加工性能に優れる上、糸が細く、軽く柔らかいものの、強度が強く、糸目がずれないという特長を有する。また、豊富な色を揃えているため、中身の野菜や果実に応じてネット部の色を選ぶことができる。従来品は、同社製品と比べ、糸が太く、硬く、重い。同社製品は、特にオレンジやアボカドなどの表面に傷が付くことを嫌う果実に適している。

メルタッククロスは、延伸強化された複合ヤーンをタテヨコに使っており、タテ糸とヨコ糸が熱融着されているためズレやほつれが起こりにくい。同社の独自製造技術を使用していることから、まったく同じものを他社がつくることは難しい。売価は、競合先と同等レベルを提示した。まだ、量産を開始したばかりだが、今後、用途拡大を図り、生産量の拡大によりコストダウンを進める。同製品は、日常生活で大量に消費されるものに使用されることから、大きなポテンシャルがある。

f)機械製品事業
フラットヤーン製造技術を応用して、幅広い用途向けにスリッター(裁断機)を開発、製造・販売している。レジ用紙ロールのスリッター、偏光フィルムを裁断するスリッター、タッチパネル用フィルムのスリッターなどでトップシェアを持つ。リチウムイオン電池(LiB)のセパレータ用のスリッターも手掛ける。大気汚染に悩む中国は、プラグイン・ハイブリッドカー(PHV)や電気自動車(EV)などのエコカー普及のために補助金政策をとっており、同国内におけるリチウムイオン電池の生産増加、ひいてはセパレータ用スリッターの需要拡大が見込まれる。

超音波を活用したスリッターは、切りくずがでないため食品事業者に向いている。不織布や織物製品は、裁断に刃物や高温熱を使うとほつれが出やすいが、超音波であれば対象物を0.1ミリメートルの精度で裁断できる。ティーバッグ用不織布の裁断に使用されている。

g)プラスチック再生機「HuSS再生ペレット製造装置」
プラスチックの再生機とは、廃プラスチックを粉砕し、熱を加えて溶解した後、不純物を取り除いてペレット状にする機械になる。食品トレーなどは、水にぬれていても乾燥しながら再生する機能を備えている。同社は、台湾のプラスチック加工メーカーと業務提携をして海外生産を行うことでコストダウンを図っている。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 瀬川 健)

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